yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

台湾中央研究院-4 淡水の十三行遺跡博物館へ行ってきましたの条

2010-08-27 08:03:36 | 歴史・考古情報《東アジア》-1 中国
 昨日は中央研究院の関係で実測はお休み。そのおかげで台湾北部のメイン河川である淡水の河口部にある十三行遺跡の資料を展示する博物館へ行くことができました。

 中央研究院からタクシーで最寄りの中山駅まで、そこから地下鉄に乗って終点淡水まで約1時間の移動でした。





 淡水は台湾の東側にある山脈から流れ来る水を集めて北端の東シナ海に流れ込む台北随一の大河です。この河口部にから発見されたのが十三行遺跡です。今から1800年前から500年前までの台湾原住民の構築した遺跡だとされていますが、もっと古い資料群もあるようです。台湾史など全く知らない私にはとても興味深い遺跡なので、ワクワクしながら参りました。

 まず移動に使った地下鉄の美しく、駅構内の案内が判りやすく、とても使いやすい構造になっていることに感激しました。そして、もっと驚き素晴らしい!と思ったことが地下鉄内(他の公共機関も)飲食禁止なのです。そして、こんなの当たり前のことなのでしょうが、若者達はあまり席に座らず、座っていても老人などが来ると直ぐに席を替わることです。

 私達の参加者の一人はナナナント、杖を持った老人にまで席を譲られようとして驚き、もちろんご辞退させて頂いたのですが、国民全体にこうした弱者への配慮が行き届いている点はどこぞの国の悲しい現実とは大違い、なんとかならんのですかね、あの日本の若者の優先座席を占有する態度!!

 と言うわけでとても気持ちのいい旅をして淡水駅へ。





 淡水の町は港町といった感じでとても風情がありました。



 淡水駅の少し手前には「関渡」と言う土地があり、現在もここに大きな橋が架かっています。かつての渡河地点だったようです。

 案内はもちろん団長のMA先生。おかげで手際よく近道を通り、淡水を渡る船着き場へ行き、渡航して、バスなどを乗り継いで博物館へ。船上から見る淡水の光景も絶品でした。

 淡水から小型の船で淡水川を渡ります。





 この川の先、海との接点、クレーンの林立しているところが遺跡です。悲しいかな今から40年程前に発見され調査が開始されましたが、公共工事(下水処理場?)のためにほとんどが破壊されてしまい、その罪滅ぼしに建てられたのが博物館です。これで台湾北部の原住民の貴重な交流の歴史は闇へと葬り去られてしまいました。所詮台湾は中国の一部であって元々この地で暮らした人々の歴史にはこの当時、さほど関心がなかったようです。今はむしろ逆に台湾史が盛んで、中国史は下火になっているそうです。これも政争の一端でしょうか。



 霊峰・観音山





 遺跡上空の航空写真



 最近流行の遺跡調査風景。こんなジオラマを作るお金があるのなら、報告書を出して欲しいし、遺跡を現地で公開して欲しいのだが、それは最早叶わぬ願い。悲しい!!世界中一緒ですな。



 土器を模した給水塔??



 こんなにきちんと発掘しているのに、報告書は??



 保存できなかったことについてはかなり厳しく批判するビデオが流されていたが・・・。



 内部は子供を意識したとても判りやすい展示が心がけられていた。



 土器はやはり女性が作る!!



 年代の表記がない(見落とした?)のだが何となく弥生土器のような土器群が展示されていた。





 絵画土器や土偶なども多数!!



 宋銭に混じって開元通寶も出土しているようだ。製鉄遺跡もあるというのだが・・。



 屋上からはかつて遺跡のあったところが一望できるのだが・・・。



 わずか1時間弱の短い見学だったが、複雑な思いを抱いて次なる目的地故宮博物院へ。途中関渡大橋を渡る。



 士林駅から故宮へ。

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