yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

今泉隆雄さんの最終講義と退任記念会の条

2010-03-14 06:31:56 | yaasan随想
 3月13日には東北大学の今泉隆雄さんの定年退官にあたり、最終講義と記念パーテイーが催され、仙台へ出かけてきた。


 150人ほどはいる教室はいっぱいで立ち見が出るほどだった。

 最終講義は「古代史学と考古学のあいだで」と題し、ご自身の古代史研究に取り組んでこられた歴史を1宮都研究、2東北古代史研究、3木簡研究の3本柱を中心に整理をなさった上で、その研究成果をお話しなさった。



 少し白髪が増えたようにもお見受けした。今泉さんの恩師の関先生は晩年真っ白でとてもかっこよかったが、今泉さんもそうなられるのかなと思った。

 わずか二時間で40年間近い研究を要約されるわけだからかたりつくせいないことはあらかじめわかっているわけだが、レジュメにそってとても判りやすく、的確に御まとめになられていて、会場にいた学生さん達には本当に最後の授業になったと思う。



 最終講義のレジュメは今泉さんの研究史でもあった。

 長岡京木簡の研究もその一コマに入っていてとても嬉しかった。



 最終講義の後会場をホテルに移して記念パーテイーが開かれた。200人近い参加者で二時間近く様々な方々からのスピーチが続いた。



 私も一言御礼を申し上げたのだが、連日の徹夜が祟ってか、どうも頭がボーッとしていて、なんだかとりとめのないことを申し上げて終わってしまった。済みません今泉さん。

 とにかく今泉さんとのお付き合いのお陰で私は今を生きることができている。感謝以外のなにものでもない。高橋美久二さんには考古学とは何かを、そして今泉さんには学問とは何かをお教えいただいた。
 と同時に出版をお勧めいただき、学位取得の道筋を付けていただいた。この二つのご助言がなければ今私が大学で教鞭を執ることはなかったと思う。私の人生のもう一人の恩人である。
 
 ところで、会場での学生さんや元教え子からのスピーチが何人もあった。ところが出てくる言葉が

「今泉先生は厳しかった!!」

だった。そんなのあたりまえジャンか。東北大学の先生が厳しく教えなかったら日本の古代史を教える人間はどこから生まれてくるのか!誰が研究者になるんか!と言いたかった。
 あれほど人間味に溢れ、優しい先生はいらっしゃらないのではないか。どうも最近の学生は優しさをはき違えているように思えてならない。



 この後会場を移して二次会。今泉さんの大学時代の同級生の3人お方がご出席になって大いに盛り上がった。

 二次会もあっと言う間に終わり、結局余り今泉さんとお話しすることもできず、なんだか寂しさだけが残って仙台の夜を終えた。

 これからしばらくお休みいただいて、また東北で様々な形で後輩のご指導をいただければと思う。

 お疲れ様でした、。そして本当に有り難うございました。

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