私たちは署名の提出だけでは「無視」で居直り続けるNHK会長を辞任に追い込むために受信料支払い凍結運動に踏み切ることにしました。具体的には以下の様な方法を参考にして下さい。
受信料停止を行うための一方法
①銀行に行く
②「受信料引き落とし」の停止を通知
③自動振り込みが停止
④次回からは自動的には引き落とされなくなる。
⑤その後、NHKに対して(東京でも地元でも)「籾井会長が辞任するまで停止し、辞任が実現したら払う」と通告(メールでもファックスでも可。《例》NHK受信料の窓口にあるフリーダイヤル0120-151515か有料ダイヤル050-3786-5003)。
⑥辞任が実現したら(当会の方針としては)遡って支払う。
⑦NHKの方であなたの入金がないことが判明した段階で「受信料払い込みのお願い」の通知が「払込用紙」とともに届く。
⑧それは無視。
⑨放置しておくと4ヶ月後にお宅に訪問集金のスタッフが来る、
⑩口頭で「籾井氏が辞任するまでは払わない」と言う。
⑪辞任が実現し「支払い再開」を希望されても、以降は、訪問集金を待つ。
⑫4ヶ月たてば集金に来る。NHKに対する意見を言うこともできる。
昨日提出した通知文書をお知らせいたします。
2014年4月21日
NHK経営委員会 御中
NHK会長 籾井勝人様
NHK理事 各位
ご通知
籾井勝人氏のNHK会長辞任を停止条件として
受信料支払い凍結運動に踏み切ります
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
籾井勝人氏のNHK会長就任会見での妄言、百田尚樹、長谷川三千子両氏のNHK経営委員としてあるまじき言動に対してNHKに多くの視聴者から抗議の声が寄せられています。当会が他の6つの市民団体と共同で2月末から始めた3氏の罷免、辞任を求める署名も4月18日現在の集計で3万筆を超えました。また、この間、当会には、「今のNHKには受信料を払う気になれない」、「口座の引き落としを止めたいがどうしたらよいか」という問い合わせが多数届いています。
当会は3氏の罷免、辞任を求める署名運動に取り組むとともに、3氏が経営委員会や国会でどのような釈明・答弁をされるのか、それらに対する視聴者・世論の動向はどうか、などを慎重に見極めてきました。
しかし、籾井氏は前例のない抗議の声も意に介さないかのように、「無理やり言わされた」、「不慣れだった」と釈明する一方、「どこか間違っていたでしょうか」と開き直る有様です。
また、籾井氏はご自身こそ辞表を提出すべき状況にありながら、会長就任早々、全理事から日付のない辞表を取りつけ、いまだにそれを理事に返却せず、会長の人事権を盾に専決体制を敷こうとする態度を改めていません。そのうえで、個人としての見解と会長としての見解を整理しないまま発言したことは反省すると語ってきました。百田、長谷川両氏も問題にされた言動は経営委員の職務外のもので、個人としての言論の自由に属するものだという反論を繰り返しています。つまり、3氏は問題とされた一連の「個人的見解」それ自体を今もって撤回も改めもしていないのです。
しかし、今回の一連の発言で問われているのは、放送に携わる者の職責と定められた「健全な民主主義の発達に資するよう」(放送法第1条第3項)放送を規律するのに適した資質を3氏が備えていたのかどうかです。特に、「国際放送では政府が右というものを左というわけにはいかない」、「従軍慰安婦はどの国にもあった、それをいいとか悪いとかいう立場にはない」という個人的見解を持つ人物を敢えて NHKの会長に選任した経営委員会の判断の可否が問われているのです。
当会はこれまで3度にわたって、他の市民団体と共同で、署名簿を添えて籾井氏ら3人の罷免、辞任を求める申し入れを籾井氏ご本人及びNHK経営委員会、さらには経営委員の任命権者である安倍首相に提出してきました。しかし、さる4月13日に放送された籾井会長の釈明会見でも、市民団体の申し入れを意に介さず、前例のない多くの視聴者からの批判も顧みず、棒読み同然の幕引き談話で会長職に居座り続けようとしています。私たちはこうした籾井氏の対応を放置するわけにはいきません。
そこで、当会の運営委員会は約2か月にわたる慎重な協議を経て、以下のとおり、NHK経営委員会が籾井勝人氏をNHK会長から罷免するか、籾井氏が自ら辞任を決断するよう、再度の申し入れをし、この要望が受け入れられない場合は、受信料の支払いを向う半年間、凍結する運動を起こすことにしました。
籾井氏に絞って辞任を求めるのは、同氏が会長職にとどまると、当面する放送業務、人事編成などにおいて、会長の権限が濫用され、NHKは「ボルトとナットで締め直され」て、公共放送にふさわしい理事会の民主的合議体制が機能しなくなる恐れがあるからです。それはNHKをいっそう混乱に陥れ、「民主主義の発達に資する」放送を提供すべきNHKがトップダウン型の専決組織に変質させられる危険性ともいえます。そこで、私たちは籾井氏に一刻も早く会長職から退いていただくことを焦眉の課題と考え、以下の行動を提起することとしました。
「受信料支払い凍結運動」の要点
1.目的
「今のままでは受信料を払う気になれない」という多くの視聴者の意思を汲み上げ、
当面、籾井会長の辞任を促す。
2.支払い凍結運動の方法
①4月末日までに籾井氏を罷免するか籾井氏が会長職を辞するよう決断されるよう、
再度、要求する。
②4月末に至っても、なお、籾井氏が会長職にとどまる場合は、同氏の辞職をさら
に強く促すため、向う半年間、受信料の支払いを凍結する(本年5月から10月
の間に納期が来る受信料の口座引き落とし等を停止し、振り込み票による支払い
も行わない)運動を起こす。
③上記②を実行するにあたっては、凍結したことをNHKに通告するよう呼びかけ
る。
④半年経過するまでに籾井氏が会長を辞任した場合は、その時点で受信料支払いの
凍結を解除し、支払いを再開する。
⑤半年が経過した時点で籾井氏がなお会長職にとどまっている場合は、凍結を継続
するか解除するかは、凍結を始めた各視聴者の判断に委ねる。
⑥どの時点で凍結を解除するにせよ、凍結分も含め、受信料を支払うものとする。
当会は、NHKが国からの出資や助成、営利企業からの広告料に頼らず、視聴者の受信料で財源を賄う公共放送の体制を堅持することを強く支持することに変わりはありません。今回、提起する受信料支払い凍結運動は、このような立場を踏まえ、「受信料不払い」運動とは明確に一線を画するものであることを申し添えます。それは、上記の「支払い凍結運動の方法」の②、④~⑥で明確に示されています。
と同時に、私たちは、視聴者がNHKと結ぶ受信契約は税金や国民健康保険料のような片務性の公契約ではなく、視聴者とNHKが相互に権利と義務を分かち合う双務契約だという点を重視しています。過去、何度も受信料の支払い義務を法制化しようとする放送法改定法案が国会に上程されながら廃案となったのは、NHKの人事、運営等に関して視聴者にまったくと言ってよいほど権利が与えられていない現在の受信契約の下で、支払い義務化によって今以上に強い受信料徴収権をNHKに与えると、特権的・徴税的な意識がNHK内に生まれ、視聴者との相互信頼関係が損なわれるとの危惧があったからです(資料①②参照)。
私たちは、受信料の支払いは視聴者の片務的な義務ではなく、NHKが放送法ならびにNHK放送ガイドライン等の定めに沿って、民主主義の発達に資する番組を国民に提供するという、視聴者とNHKの間の相互信頼関係の上に成り立つ義務であると理解しています(資料②③参照)。
だとすれば、「政府が右といったら左とは言えない」などと公共放送の自立性を端から理解しない一方で、会長職の権限にはことのほか執着する人物がNHK会長職に居座り続けたのでは、 視聴者は、NHKが公共放送にふさわしい民主的な組織運営に徹し、自主自律の放送を提供する責務を誠実に履行するという信頼を保てないと言わざるを得ません。
このような場合、視聴者は、NHKが公共放送の事業者にふさわしい信頼を回復するのに必要な措置を講じるまで―――今回の場合は籾井会長が辞任するまで―――民法第533条で明記された「同時履行の抗弁権」を準用して、自己の義務の履行を停止する権利を行使できると考えるのが至当です。
ただし、この場合の視聴者の権利は「相手方〔ここではNHK〕の債権を絶対的に否認する抗弁権ではなく、相手方の債権の存在を認めるけれどもその行使を一時的に制限する延期的抗弁権である」(島谷部茂「同時履行の抗弁権」『法学教室』1999年12月、26ページ)ことを私たちは十分理解しています。今回、私たちが「受信料支払い凍結運動」を籾井氏の会長辞任を停止条件として実施に踏み切ることにしたのも、支払い凍結を解除する際には凍結分も含めて受信料を支払うものとしたのも、このような理解を前提にしているからです。
貴委員会ならびに貴職におかれましては、こうした当会の見地を十分ご理解の上、籾井氏の会長罷免または自主的な辞職を一日も早く、決断されるよう、強く要望いたします。
以上
【資料】
① 1980(昭和55)年4月9日、衆議院逓信委員会における武部文委員の質問(抜粋)
「武部委員 今度の義務制の問題あるいは料金値上げの問題等をめぐってマスコミに登場してきた国民の声を私なりにいろいろと調べてみました。それを見ますと、放送の内容あるいは経営の姿勢、大体どこで選ばれるかわからない会長や経営委員などの組織が云々というような主張がありますね。これは事実であります。
また、払わぬ一つの理屈として、現在のNHKは支持できない、それはNHKを見ないから払わぬのではなくて、NHKを見ておるから払わぬのだ、こういう奇妙な理屈がございました。それは、いま申し上げたような、放送の内容がどこで決まって、NHKを経営する経営委員なるものが一体だれで、どこでどういう方法で選ばれたのか皆目わからぬということで、NHKの受信料を払わぬよ、こういう理屈になっておるようですね。そういう声があります。
それから、支払い義務があるというならば、それに対応するところの視聴者側の権利を明確にしなければならぬはずだ、それはNHKの人事とか予算あるいは放送内容について、視聴者側の権利を明確にする必要があるのではないかという意見が出ておるようであります。これももっともなことだと思うのです。たとえば、監査の問題等をとってみてもそうですが、監査の決定権は視聴者が持つべきだ、自分たちが払っておるのだから自分たちの代表がそれを決定する権利を持つべきだという意見もあります。NHKの経営あるいは番組制作などについてチェックしていくためにも、現在の経営委員――自民党の皆さんの発言を見ますと、国民の声の代表である経営委員に対してもっと発言権を持つべきだというような意見がきょうの新聞報道にございますが、この経営委員は視聴者の公選制にすべきではないかという意見もあるようです。これは言うはやすくなかなかむずかしいことだと思うのです。二千八百万の視聴者から経営委員を公選制にしろと言ったって、なかなかできっこないと思うのです。しかし、それはまた考えようによっては、各県ごとに視聴者会議というものもあるわけですから、そういうものを通じて推薦を得た者を、たとえば中国本部あるいは近畿本部というものの中から選択をし、選び、そうしてできるだけ公選制に近いような形で経営委員を選ぶべきではないかという意見が出てくるのは私は当然だと思います。
ここに十二名の方の経歴の一覧表もございますし、今度また任期切れの方もあるようですけれども、確かにわれわれは、この人たちが果たしてNHKの放送についてどういう見識をお持ちだろう、どんな発言をせられただろうか、先般当委員会でも同僚委員から発言もございましたけれども、皆目見当がつかぬ。一体どうして選ばれておるのだろうか、見たこともなければ聞いたこともないような人だということになってくる。あるいはまた、この中には新聞界の方がいま二名、この次また一名予定されているようでありますが、この十二名の中に三人の全国大新聞の代表の方が入られる、これは一体どういうこと、だろうか。いろいろな点についての疑問がある。したがって、公選制をやれという意見が出てくるのも私は当然だと思うのですが、こういうことについてNHKはどういう見解をお持ちでしょうか。」
(「衆議院逓信委員会会議録」より)
② 河野弘矩「NHK受信契約」(遠藤浩・林良平・水本浩監修『現代契約法大系』第7巻、サービス・労務供給契約、1984年有斐閣、241ページ)
「思うに、国民的支援にささえられた番組編成、経営基盤(財源)の自主独立性を堅持し、国民の総意に沿ったサービスの提供に努めうる諸環境を存続させるためにも、NHKに完全な特権的、徴税的な心理を育成する方向には絶対に進むべきではなく、そのためにも、NHKと受信者が受信契約の締結という行為を介して形成され、育成された相互信頼関係はその範囲で価値あるものであり、現行放送法32条は、それなりに評価に値する規定であるといえよう。」
③ 1999(平成11)年3月15日、衆議院逓信委員会における海老沢勝二NHK会長(当時)の発言(抜粋)
「海老沢参考人 この受信料の公正負担ということで、私ども日ごろいろいろな形で我々の公共放送の意義なり存在というものを御説明しているわけであります。そういう中で、私は、広告放送なりあるいはNHKが有料放送をやりますれば、根本的に放送のやり方が変わっていかざるを得ないだろうと思っております。
先ほど申しましたように、やはり、イギリスにBBCというのがあります、これは受信料だけで広告放送をやらないでやっておりますが、イギリスの方は御承知のように罰則規定がありますし、強制的に徴収される。それで、NHKは罰則規定、いわゆる公権力が働かなくて、NHKと国民との信頼に基づいて受信料をいただいているという全く世界に例のない理想的な公共放送であります。
そういう面では、我々日本人は、私は、性善説をとっているというのですけれども、性善説の中で、国民の理解と信頼で成り立っているわけであります。この組織というものを私は大事にし、やはり、日本人の心の優しさといいますか、それを信じながらいい番組をつくっていくことが我々の使命だろうと思っております。そういう面で、私は、多メディア・多チャンネルになっても、NHKは受信料を堅持し、これを我々はさらに発展させていくように努力するのが我々の使命だろうと思っております。」
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①銀行に行く
②「受信料引き落とし」の停止を通知
③自動振り込みが停止
④次回からは自動的には引き落とされなくなる。
⑤その後、NHKに対して(東京でも地元でも)「籾井会長が辞任するまで停止し、辞任が実現したら払う」と通告(メールでもファックスでも可。《例》NHK受信料の窓口にあるフリーダイヤル0120-151515か有料ダイヤル050-3786-5003)。
⑥辞任が実現したら(当会の方針としては)遡って支払う。
⑦NHKの方であなたの入金がないことが判明した段階で「受信料払い込みのお願い」の通知が「払込用紙」とともに届く。
⑧それは無視。
⑨放置しておくと4ヶ月後にお宅に訪問集金のスタッフが来る、
⑩口頭で「籾井氏が辞任するまでは払わない」と言う。
⑪辞任が実現し「支払い再開」を希望されても、以降は、訪問集金を待つ。
⑫4ヶ月たてば集金に来る。NHKに対する意見を言うこともできる。
昨日提出した通知文書をお知らせいたします。
2014年4月21日
NHK経営委員会 御中
NHK会長 籾井勝人様
NHK理事 各位
ご通知
籾井勝人氏のNHK会長辞任を停止条件として
受信料支払い凍結運動に踏み切ります
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
籾井勝人氏のNHK会長就任会見での妄言、百田尚樹、長谷川三千子両氏のNHK経営委員としてあるまじき言動に対してNHKに多くの視聴者から抗議の声が寄せられています。当会が他の6つの市民団体と共同で2月末から始めた3氏の罷免、辞任を求める署名も4月18日現在の集計で3万筆を超えました。また、この間、当会には、「今のNHKには受信料を払う気になれない」、「口座の引き落としを止めたいがどうしたらよいか」という問い合わせが多数届いています。
当会は3氏の罷免、辞任を求める署名運動に取り組むとともに、3氏が経営委員会や国会でどのような釈明・答弁をされるのか、それらに対する視聴者・世論の動向はどうか、などを慎重に見極めてきました。
しかし、籾井氏は前例のない抗議の声も意に介さないかのように、「無理やり言わされた」、「不慣れだった」と釈明する一方、「どこか間違っていたでしょうか」と開き直る有様です。
また、籾井氏はご自身こそ辞表を提出すべき状況にありながら、会長就任早々、全理事から日付のない辞表を取りつけ、いまだにそれを理事に返却せず、会長の人事権を盾に専決体制を敷こうとする態度を改めていません。そのうえで、個人としての見解と会長としての見解を整理しないまま発言したことは反省すると語ってきました。百田、長谷川両氏も問題にされた言動は経営委員の職務外のもので、個人としての言論の自由に属するものだという反論を繰り返しています。つまり、3氏は問題とされた一連の「個人的見解」それ自体を今もって撤回も改めもしていないのです。
しかし、今回の一連の発言で問われているのは、放送に携わる者の職責と定められた「健全な民主主義の発達に資するよう」(放送法第1条第3項)放送を規律するのに適した資質を3氏が備えていたのかどうかです。特に、「国際放送では政府が右というものを左というわけにはいかない」、「従軍慰安婦はどの国にもあった、それをいいとか悪いとかいう立場にはない」という個人的見解を持つ人物を敢えて NHKの会長に選任した経営委員会の判断の可否が問われているのです。
当会はこれまで3度にわたって、他の市民団体と共同で、署名簿を添えて籾井氏ら3人の罷免、辞任を求める申し入れを籾井氏ご本人及びNHK経営委員会、さらには経営委員の任命権者である安倍首相に提出してきました。しかし、さる4月13日に放送された籾井会長の釈明会見でも、市民団体の申し入れを意に介さず、前例のない多くの視聴者からの批判も顧みず、棒読み同然の幕引き談話で会長職に居座り続けようとしています。私たちはこうした籾井氏の対応を放置するわけにはいきません。
そこで、当会の運営委員会は約2か月にわたる慎重な協議を経て、以下のとおり、NHK経営委員会が籾井勝人氏をNHK会長から罷免するか、籾井氏が自ら辞任を決断するよう、再度の申し入れをし、この要望が受け入れられない場合は、受信料の支払いを向う半年間、凍結する運動を起こすことにしました。
籾井氏に絞って辞任を求めるのは、同氏が会長職にとどまると、当面する放送業務、人事編成などにおいて、会長の権限が濫用され、NHKは「ボルトとナットで締め直され」て、公共放送にふさわしい理事会の民主的合議体制が機能しなくなる恐れがあるからです。それはNHKをいっそう混乱に陥れ、「民主主義の発達に資する」放送を提供すべきNHKがトップダウン型の専決組織に変質させられる危険性ともいえます。そこで、私たちは籾井氏に一刻も早く会長職から退いていただくことを焦眉の課題と考え、以下の行動を提起することとしました。
「受信料支払い凍結運動」の要点
1.目的
「今のままでは受信料を払う気になれない」という多くの視聴者の意思を汲み上げ、
当面、籾井会長の辞任を促す。
2.支払い凍結運動の方法
①4月末日までに籾井氏を罷免するか籾井氏が会長職を辞するよう決断されるよう、
再度、要求する。
②4月末に至っても、なお、籾井氏が会長職にとどまる場合は、同氏の辞職をさら
に強く促すため、向う半年間、受信料の支払いを凍結する(本年5月から10月
の間に納期が来る受信料の口座引き落とし等を停止し、振り込み票による支払い
も行わない)運動を起こす。
③上記②を実行するにあたっては、凍結したことをNHKに通告するよう呼びかけ
る。
④半年経過するまでに籾井氏が会長を辞任した場合は、その時点で受信料支払いの
凍結を解除し、支払いを再開する。
⑤半年が経過した時点で籾井氏がなお会長職にとどまっている場合は、凍結を継続
するか解除するかは、凍結を始めた各視聴者の判断に委ねる。
⑥どの時点で凍結を解除するにせよ、凍結分も含め、受信料を支払うものとする。
当会は、NHKが国からの出資や助成、営利企業からの広告料に頼らず、視聴者の受信料で財源を賄う公共放送の体制を堅持することを強く支持することに変わりはありません。今回、提起する受信料支払い凍結運動は、このような立場を踏まえ、「受信料不払い」運動とは明確に一線を画するものであることを申し添えます。それは、上記の「支払い凍結運動の方法」の②、④~⑥で明確に示されています。
と同時に、私たちは、視聴者がNHKと結ぶ受信契約は税金や国民健康保険料のような片務性の公契約ではなく、視聴者とNHKが相互に権利と義務を分かち合う双務契約だという点を重視しています。過去、何度も受信料の支払い義務を法制化しようとする放送法改定法案が国会に上程されながら廃案となったのは、NHKの人事、運営等に関して視聴者にまったくと言ってよいほど権利が与えられていない現在の受信契約の下で、支払い義務化によって今以上に強い受信料徴収権をNHKに与えると、特権的・徴税的な意識がNHK内に生まれ、視聴者との相互信頼関係が損なわれるとの危惧があったからです(資料①②参照)。
私たちは、受信料の支払いは視聴者の片務的な義務ではなく、NHKが放送法ならびにNHK放送ガイドライン等の定めに沿って、民主主義の発達に資する番組を国民に提供するという、視聴者とNHKの間の相互信頼関係の上に成り立つ義務であると理解しています(資料②③参照)。
だとすれば、「政府が右といったら左とは言えない」などと公共放送の自立性を端から理解しない一方で、会長職の権限にはことのほか執着する人物がNHK会長職に居座り続けたのでは、 視聴者は、NHKが公共放送にふさわしい民主的な組織運営に徹し、自主自律の放送を提供する責務を誠実に履行するという信頼を保てないと言わざるを得ません。
このような場合、視聴者は、NHKが公共放送の事業者にふさわしい信頼を回復するのに必要な措置を講じるまで―――今回の場合は籾井会長が辞任するまで―――民法第533条で明記された「同時履行の抗弁権」を準用して、自己の義務の履行を停止する権利を行使できると考えるのが至当です。
ただし、この場合の視聴者の権利は「相手方〔ここではNHK〕の債権を絶対的に否認する抗弁権ではなく、相手方の債権の存在を認めるけれどもその行使を一時的に制限する延期的抗弁権である」(島谷部茂「同時履行の抗弁権」『法学教室』1999年12月、26ページ)ことを私たちは十分理解しています。今回、私たちが「受信料支払い凍結運動」を籾井氏の会長辞任を停止条件として実施に踏み切ることにしたのも、支払い凍結を解除する際には凍結分も含めて受信料を支払うものとしたのも、このような理解を前提にしているからです。
貴委員会ならびに貴職におかれましては、こうした当会の見地を十分ご理解の上、籾井氏の会長罷免または自主的な辞職を一日も早く、決断されるよう、強く要望いたします。
以上
【資料】
① 1980(昭和55)年4月9日、衆議院逓信委員会における武部文委員の質問(抜粋)
「武部委員 今度の義務制の問題あるいは料金値上げの問題等をめぐってマスコミに登場してきた国民の声を私なりにいろいろと調べてみました。それを見ますと、放送の内容あるいは経営の姿勢、大体どこで選ばれるかわからない会長や経営委員などの組織が云々というような主張がありますね。これは事実であります。
また、払わぬ一つの理屈として、現在のNHKは支持できない、それはNHKを見ないから払わぬのではなくて、NHKを見ておるから払わぬのだ、こういう奇妙な理屈がございました。それは、いま申し上げたような、放送の内容がどこで決まって、NHKを経営する経営委員なるものが一体だれで、どこでどういう方法で選ばれたのか皆目わからぬということで、NHKの受信料を払わぬよ、こういう理屈になっておるようですね。そういう声があります。
それから、支払い義務があるというならば、それに対応するところの視聴者側の権利を明確にしなければならぬはずだ、それはNHKの人事とか予算あるいは放送内容について、視聴者側の権利を明確にする必要があるのではないかという意見が出ておるようであります。これももっともなことだと思うのです。たとえば、監査の問題等をとってみてもそうですが、監査の決定権は視聴者が持つべきだ、自分たちが払っておるのだから自分たちの代表がそれを決定する権利を持つべきだという意見もあります。NHKの経営あるいは番組制作などについてチェックしていくためにも、現在の経営委員――自民党の皆さんの発言を見ますと、国民の声の代表である経営委員に対してもっと発言権を持つべきだというような意見がきょうの新聞報道にございますが、この経営委員は視聴者の公選制にすべきではないかという意見もあるようです。これは言うはやすくなかなかむずかしいことだと思うのです。二千八百万の視聴者から経営委員を公選制にしろと言ったって、なかなかできっこないと思うのです。しかし、それはまた考えようによっては、各県ごとに視聴者会議というものもあるわけですから、そういうものを通じて推薦を得た者を、たとえば中国本部あるいは近畿本部というものの中から選択をし、選び、そうしてできるだけ公選制に近いような形で経営委員を選ぶべきではないかという意見が出てくるのは私は当然だと思います。
ここに十二名の方の経歴の一覧表もございますし、今度また任期切れの方もあるようですけれども、確かにわれわれは、この人たちが果たしてNHKの放送についてどういう見識をお持ちだろう、どんな発言をせられただろうか、先般当委員会でも同僚委員から発言もございましたけれども、皆目見当がつかぬ。一体どうして選ばれておるのだろうか、見たこともなければ聞いたこともないような人だということになってくる。あるいはまた、この中には新聞界の方がいま二名、この次また一名予定されているようでありますが、この十二名の中に三人の全国大新聞の代表の方が入られる、これは一体どういうこと、だろうか。いろいろな点についての疑問がある。したがって、公選制をやれという意見が出てくるのも私は当然だと思うのですが、こういうことについてNHKはどういう見解をお持ちでしょうか。」
(「衆議院逓信委員会会議録」より)
② 河野弘矩「NHK受信契約」(遠藤浩・林良平・水本浩監修『現代契約法大系』第7巻、サービス・労務供給契約、1984年有斐閣、241ページ)
「思うに、国民的支援にささえられた番組編成、経営基盤(財源)の自主独立性を堅持し、国民の総意に沿ったサービスの提供に努めうる諸環境を存続させるためにも、NHKに完全な特権的、徴税的な心理を育成する方向には絶対に進むべきではなく、そのためにも、NHKと受信者が受信契約の締結という行為を介して形成され、育成された相互信頼関係はその範囲で価値あるものであり、現行放送法32条は、それなりに評価に値する規定であるといえよう。」
③ 1999(平成11)年3月15日、衆議院逓信委員会における海老沢勝二NHK会長(当時)の発言(抜粋)
「海老沢参考人 この受信料の公正負担ということで、私ども日ごろいろいろな形で我々の公共放送の意義なり存在というものを御説明しているわけであります。そういう中で、私は、広告放送なりあるいはNHKが有料放送をやりますれば、根本的に放送のやり方が変わっていかざるを得ないだろうと思っております。
先ほど申しましたように、やはり、イギリスにBBCというのがあります、これは受信料だけで広告放送をやらないでやっておりますが、イギリスの方は御承知のように罰則規定がありますし、強制的に徴収される。それで、NHKは罰則規定、いわゆる公権力が働かなくて、NHKと国民との信頼に基づいて受信料をいただいているという全く世界に例のない理想的な公共放送であります。
そういう面では、我々日本人は、私は、性善説をとっているというのですけれども、性善説の中で、国民の理解と信頼で成り立っているわけであります。この組織というものを私は大事にし、やはり、日本人の心の優しさといいますか、それを信じながらいい番組をつくっていくことが我々の使命だろうと思っております。そういう面で、私は、多メディア・多チャンネルになっても、NHKは受信料を堅持し、これを我々はさらに発展させていくように努力するのが我々の使命だろうと思っております。」
民主主義を否定し、戦前の全体主義に突き進む安倍政権の先兵・NHK新会長籾井氏の辞任を求める方はこいつをポチッと押して下さいね→
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