23日(日)は大雨だった。しかし、1年生の授業であるオリエンテーションセミナー(公式にはスタートアップセミナー)で12人の一年生を案内するために10時に大和西大寺に集合して平城遷都1300年祭を見学した。
ところが予想通りというか、不安が的中し、次々とメールが入ってくる。
まず第1号は寝坊して電車に乗り遅れ、今から出ると終わった頃しか行けませんという(「もう来んでもいい!!」、と返信)、第2号が、私の移動中の電車に、乗り換え電車に間に合わず、5分ほど遅れるという軍団(仕方ない、待ってますと返事)、そして極めつけ第3号は、その同じ電車に乗っていながら、もう一度の乗り換え電車に乗り遅れたという者(着いたら電話してと返事)、結局指定の電車で無事着いたのはたったの4人。携帯というのは便利過ぎてこういうずぼらな現象を生み出す。
雨も降るし、置いていくとどうなるか判らないし、しばらく待って軍団と合流、もう1人の二度遅れは仕方ないから携帯で指示しながらまずは平城宮跡資料館へ。
何度見てもあまりいい展示とは思えないが、ま、学生には自由に見学して今度の授業で報告して!と伝える。
ところが後で判ったのだが、一緒に行った内の学生の証言によると、資料館の売店で「かりんと」を売ってましたよ」という。「エッ??」「但しせんと君が寝転んだ絵の変な弁当箱に入っていて1000円もするんですよ。だから買いませんでした」「1000円!!なんじゃそれ!」いかにかりんと好きの我が研究室の学生でも買えなかったのだ。それにしても商売根性丸出しの値段!このイベントを企画している人々の類が想像付くというものだ。庶民のお菓子、かりんとを馬鹿にしている!!
と怒りを胸に、中央区大極殿を経て東区大極殿へ、そしてこの度特別名勝になるという東院庭園へ。ここで途中合流した関西大学の学生による遺跡の説明が・・・。3年生の報告ならこんなものかということで、時間をとられたが遺跡へ。
とにかく雨がどんどん降ってきて、そろそろ足下がやばい!と言うところで、朱雀門へ。ここで学生達とはお別れ。大半は西大寺経由で家路についたが、希望者を募って「大遣唐使展」をやっている奈良博へ。無料シャトルバスに乗ろうとすると、ナナナント、前回のようにイベントをやっているときとは違い、45分に1本しかバスが来ないという。大慌てでバスの列へ。ぎゅうぎゅう詰めのバスに乗って近鉄奈良駅へ向かう。
その「大遣唐使展」だが、とにかく高い!!一般1400円、学生1000円。中に入ってもっと驚いたのが図録2500円。せめて学生はこの半値にしてやればいいのに、と憤慨。博物館に来ようという学生は希少価値なんだから、彼らの意欲を割くような商売根性にまたまた腹が立った。
展示はと言うとこれがまた何とも言えぬちぐはぐ。第1会場と第2会場に分かれていて、前者が正倉院展の会場を半分使い、後者が常設展を片付けてこの特別展の会場として使っている。第1会場には宣伝に使われている「吉備大臣入唐絵巻」や薬師寺聖観音菩薩立像がゆったりと、展示解説も黒をバックにした白字をライトで浮かび上がらせるいつもとは異なるスタイルでなされている。入口には青いライトに怪しく浮かぶ和同銀銭があり、正倉院展とは違うな、と思わせるのだが、それはここだけ。
この展示会NHKが主催者の1つである。「吉備大臣入唐絵巻」を見て気がついた!!そうなんか、これに人を入れるためにあの陳腐なドラマを仕立て上げたのか。何で今頃急に吉備真備なんかと思っていたが、ボストン美術館からこれを借りだしてきて、大金がかかるから、この展示に人を入れるための工作だったのか!と。なんだか利用された絵巻が可愛そう。それにしてもこの展示にはストーリ-が全くない。おそらく学芸員の意見なんて通らなかったのだろうな。イベント屋があの中途半端な「わかりやすさ」を武器に押し切ったのだろうな、と思わせる展示だった。
(この会場で一番腹が立ったのが、遣唐使の流れを大きく変えた光仁桓武朝の遣唐使の意図が全く示されていないこと、そしてなぜか飛鳥から平安までの都を中心とした瓦が並べてあるのに(この瓦コーナーも突然現れて違和感だらけだった!この展示そのものが何のためにあるのかさっぱり理解できんかった。)長岡京がない!!ホント、権力的な展示スタイルが貫かれている。悲しい)
ついついここで時間をかけてみてしまう。さて第2会場とは何か?と歩いていくといつもの常設展の方ではないか、「何や常設展か?」と思いながら会場に入ってびっくり、常設展のケースを使って所狭しと国宝だの重文が大行列しているのである「エエッ!こりゃ間に合わん!」ほとんど解説を読む暇もなく次々と現れる国宝にびっくりしながら駆け足で閉館のチャイムの鳴る会場を後にした。
みんなに「感想は?」と聞いても、多すぎてみられなかった!で一致。最低4時間は要るな!と言う意見で一致。4時間かけないと見られない展示などというものを1回1400円で開催する主催者の意図がわからない。遣唐使に関する資料をとにかく集めたということだけはよく判る。その大半が国宝だの重文だから見学者は文句をイワンだろうという展示者の意図も透けて見える。基本的に豪華主義、珍しいもの主義。これって日本を代表する「博物館」の展示なのだろうか?と大いに疑問を持ったのだが・・・。
平城宮跡資料館にしても、この大遣唐使展にしても、所詮、学芸員の意見など聞く耳持たぬ「イベント屋」の商業主義に席巻された企画なのだな、と実感した。しかし、学芸員がそれに負けていてはその存在感がなくなる。なんとか真の学芸員を日本に定着させたいものだと、改めて思った一日でもあった。
○○工芸やら、T△△△Aやら、こんな金太郎飴のイベント屋、展示屋を一刻も早く日本から追放しようと思ったらこいつをポチッと押して下さいね→![人気ブログランキングへ](http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif)
ところが予想通りというか、不安が的中し、次々とメールが入ってくる。
まず第1号は寝坊して電車に乗り遅れ、今から出ると終わった頃しか行けませんという(「もう来んでもいい!!」、と返信)、第2号が、私の移動中の電車に、乗り換え電車に間に合わず、5分ほど遅れるという軍団(仕方ない、待ってますと返事)、そして極めつけ第3号は、その同じ電車に乗っていながら、もう一度の乗り換え電車に乗り遅れたという者(着いたら電話してと返事)、結局指定の電車で無事着いたのはたったの4人。携帯というのは便利過ぎてこういうずぼらな現象を生み出す。
雨も降るし、置いていくとどうなるか判らないし、しばらく待って軍団と合流、もう1人の二度遅れは仕方ないから携帯で指示しながらまずは平城宮跡資料館へ。
何度見てもあまりいい展示とは思えないが、ま、学生には自由に見学して今度の授業で報告して!と伝える。
ところが後で判ったのだが、一緒に行った内の学生の証言によると、資料館の売店で「かりんと」を売ってましたよ」という。「エッ??」「但しせんと君が寝転んだ絵の変な弁当箱に入っていて1000円もするんですよ。だから買いませんでした」「1000円!!なんじゃそれ!」いかにかりんと好きの我が研究室の学生でも買えなかったのだ。それにしても商売根性丸出しの値段!このイベントを企画している人々の類が想像付くというものだ。庶民のお菓子、かりんとを馬鹿にしている!!
と怒りを胸に、中央区大極殿を経て東区大極殿へ、そしてこの度特別名勝になるという東院庭園へ。ここで途中合流した関西大学の学生による遺跡の説明が・・・。3年生の報告ならこんなものかということで、時間をとられたが遺跡へ。
とにかく雨がどんどん降ってきて、そろそろ足下がやばい!と言うところで、朱雀門へ。ここで学生達とはお別れ。大半は西大寺経由で家路についたが、希望者を募って「大遣唐使展」をやっている奈良博へ。無料シャトルバスに乗ろうとすると、ナナナント、前回のようにイベントをやっているときとは違い、45分に1本しかバスが来ないという。大慌てでバスの列へ。ぎゅうぎゅう詰めのバスに乗って近鉄奈良駅へ向かう。
その「大遣唐使展」だが、とにかく高い!!一般1400円、学生1000円。中に入ってもっと驚いたのが図録2500円。せめて学生はこの半値にしてやればいいのに、と憤慨。博物館に来ようという学生は希少価値なんだから、彼らの意欲を割くような商売根性にまたまた腹が立った。
展示はと言うとこれがまた何とも言えぬちぐはぐ。第1会場と第2会場に分かれていて、前者が正倉院展の会場を半分使い、後者が常設展を片付けてこの特別展の会場として使っている。第1会場には宣伝に使われている「吉備大臣入唐絵巻」や薬師寺聖観音菩薩立像がゆったりと、展示解説も黒をバックにした白字をライトで浮かび上がらせるいつもとは異なるスタイルでなされている。入口には青いライトに怪しく浮かぶ和同銀銭があり、正倉院展とは違うな、と思わせるのだが、それはここだけ。
この展示会NHKが主催者の1つである。「吉備大臣入唐絵巻」を見て気がついた!!そうなんか、これに人を入れるためにあの陳腐なドラマを仕立て上げたのか。何で今頃急に吉備真備なんかと思っていたが、ボストン美術館からこれを借りだしてきて、大金がかかるから、この展示に人を入れるための工作だったのか!と。なんだか利用された絵巻が可愛そう。それにしてもこの展示にはストーリ-が全くない。おそらく学芸員の意見なんて通らなかったのだろうな。イベント屋があの中途半端な「わかりやすさ」を武器に押し切ったのだろうな、と思わせる展示だった。
(この会場で一番腹が立ったのが、遣唐使の流れを大きく変えた光仁桓武朝の遣唐使の意図が全く示されていないこと、そしてなぜか飛鳥から平安までの都を中心とした瓦が並べてあるのに(この瓦コーナーも突然現れて違和感だらけだった!この展示そのものが何のためにあるのかさっぱり理解できんかった。)長岡京がない!!ホント、権力的な展示スタイルが貫かれている。悲しい)
ついついここで時間をかけてみてしまう。さて第2会場とは何か?と歩いていくといつもの常設展の方ではないか、「何や常設展か?」と思いながら会場に入ってびっくり、常設展のケースを使って所狭しと国宝だの重文が大行列しているのである「エエッ!こりゃ間に合わん!」ほとんど解説を読む暇もなく次々と現れる国宝にびっくりしながら駆け足で閉館のチャイムの鳴る会場を後にした。
みんなに「感想は?」と聞いても、多すぎてみられなかった!で一致。最低4時間は要るな!と言う意見で一致。4時間かけないと見られない展示などというものを1回1400円で開催する主催者の意図がわからない。遣唐使に関する資料をとにかく集めたということだけはよく判る。その大半が国宝だの重文だから見学者は文句をイワンだろうという展示者の意図も透けて見える。基本的に豪華主義、珍しいもの主義。これって日本を代表する「博物館」の展示なのだろうか?と大いに疑問を持ったのだが・・・。
平城宮跡資料館にしても、この大遣唐使展にしても、所詮、学芸員の意見など聞く耳持たぬ「イベント屋」の商業主義に席巻された企画なのだな、と実感した。しかし、学芸員がそれに負けていてはその存在感がなくなる。なんとか真の学芸員を日本に定着させたいものだと、改めて思った一日でもあった。
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