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製紙業界はどうなるか

日本製紙の郵便年賀葉書の古紙混入率違反問題で、当初日本郵政も知っていたのではないかと思った。技術的な問題だとすると、製紙営業者は出来ないことを日本郵政担当者に告げ、対応を協議したと思った。何故なら品質問題であることと、他社も同様の対応をしていたからだ。そこで日本郵政担当者が一度ぶち上げた数字を引っ込めることが出来ずなぁなぁで進んだのかと。

ところが、リサイクル用紙全体での偽装があるとのこと。これには驚いた。環境問題で林野庁がR70(古紙混入率70%)を推進し、間伐材の利用を促進し、山林の手入れを推進しようとした矢先だけに残念だ。これで数字の妥当性だけが一人歩きするであろう。

疑問は「なぜ偽装体質か」ということだ、昨年も工場の排出NOX量の誤魔化しが発覚したばかりだ。想像で言うと「王子製紙(初代)」のせいなのだろうか。製紙業界は過度の寡占(8割程度で戦後解体された:日本製紙は兄弟会社)でコンプライアンスが欠如していたのであろうか。1970年代は公害の旗艦として叩かれたはずなのだが。

政府は取引停止を示唆しているようだがそもそも古紙100%(R100)の物があるのかも怪しい。また日本製紙の社長は辞任したが王子製紙の社長は辞任しないらしい、まぁ辞任すればいいと言うものではないが。今後を見守りたい。

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コメント
 
 
 
中国のせいかなあ? (shinpei02)
2008-01-24 16:10:46
 「偽装はよくない」というのは当たり前のことなのでおいておいて、とりあえずリサイクルの観点から一言。
 故紙原料が足りないから故紙を原料にした製紙が困難だということも一つの原因です。つまりリサイクルにまわされた故紙原料はほぼ100%利用しつくされているために、この偽装問題はリサイクルを妨害しているとはいえない状況です。逆にコピー用紙原料にまわすだけの故紙が市場にないと言うことは、故紙のリサイクルが非常に効率よく成功している証拠かと思います。
 コピー用紙に故紙を使用する政策を本気で実行するためには中国への故紙輸出禁止を行うしかなく、すごく馬鹿げた政策と言わざるをえないでしょう。それと間伐材はバージンパルプなので故紙利用を促進すると間伐材の需要は減ってしまいます。
 本気で環境保護のために行動するのであれば、アメリカに故紙回収をさせるべきでしょうね。なんせ連中にとってバージンパルプ100%のダンボールが普通みたいですから。日本製のぺらぺらで強度が低いダンボールと違って、分厚く頑丈でパルプの使用量自体もすごく多いです。
 
 
 
Unknown (wood)
2008-01-25 22:27:37
コメントありがとうございます
古紙を中国に買い負けたという指摘は最初疑いました、ところが1996年から偽装をはじめたという点でおかしいと思いました。また偽装の理由が「技術的問題」という点でも。
コストの問題であればそれを省庁に訴えれば済むことなので、地方自治体が収集した古紙を格安で流す法律を作れば良かった訳です。古紙収集業は元々経済的に成り立っていたので容器リサイクル法では範疇に含まれて居ません(というか古新聞は容器ではない、リサイクル困難な紙容器は容リ法の対象)。
また古紙が足りないという言説も疑う必要があるでしょう。コートボール(分厚くて裏がグレイで表面が白い板紙)などは表面にクレイを乗せる関係で再生紙率が高いという聞いていますし、段ボールはリサイクル率が限界に来ていると言います(今となっては怪しいものですが)。
技術的なことが理由であれば政府もある一定の責任があると思います。政府の仕事が未熟であったという意味ではなく、政府が絡んだという意味で。グリーンマーク等絡むのならJIS等で標準化し、客観的に検証できるシステムが必要であったのでしょう。もっともそれを官僚に求めるのは酷ではある、業界が暴走したのかもしれないし、官僚が出来ないことを求めたということもあるかもしれない。この問題は業界と官僚の問題だと想像します。

>間伐材の需要は減ってしまいます
林野庁が間伐材を紙に使うために政府使用のコピー紙をリサイクル100%から70%に落としてくれという論争が起きましたがギャグですね。いかに環境庁が論理だけで仕事を進め論理矛盾を引き起こしたか猛省を促したいです。ただし、彼らも論理的整合性が無ければ仕事を進められないのであろうから同情はしますが、「今言うなよ」みたいに。

>アメリカ
この視点は足りませんでした、いいアドバイスありがとうございます、実仕事でも理論武装する必要があるのでこの点を調べて行きたいと思います。

今度紙工場に行く機会を見つけてそこら辺を率直にヒアリングしたいと思います。
 
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