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【書評】忍びの国(和田竜著)

痛勤が嫌いで、勤め先(横浜)と本社(東京)の間に住んでいる。勤め先には下り電車で座って通勤(帰りも座って帰宅)。本社出張も朝一はほとんどないので、痛勤は皆無。
勤務先事業所と本社への近隣出張は月に3度程度、毎週ではないが少なくない、多くは午後の本社打ち合わせ。打ち合わせが早く終われば普段より早く帰れる。
ただその移動距離の半分程度を通勤定期でカバーしている関係で、日当が出ない。本社ではない東京への出張は定期区間を使わないケースも少なくなく、赤字のケースがそれなりにある。
まぁ定期を使えばいいのだが時間や快適さを買ってる感覚である。
一方横浜~東京で出張申請すれば日当がつくので横浜事業所勤務のほとんどの人の本社出張にはランチ代(の一部)やコーヒー代が出る模様。という愚痴。

閑話休題。 いまさらながら読了。司馬の「梟の城」を髣髴されるというか、超える小説だと思う。「梟の城」は20年前に読んだのであらすじさえも忘れているが、忍者小説として白眉であろう。

○な点。「梟の城」はフィクションの要素を強く感じていた、娯楽小説である。一方、「忍びの国」は史実をたどった形で物語が進む。忍びの行動は記録に残っていないので、そこが作者の力量の発揮する場であろう。「梟」よりはテンポや登場人物の異能に食い入る。忍び・戦闘シーンは超人で漫画化したら外人に受けると思う。

物語の背景(フィクション)を丁寧に記されてあり、荒唐無稽の「お話」に読者としてついていける、忍びが超人でもだ。

×な点。『織田信雄』の存在である。史実をベースに物語が進むのだが、キーパーソン『織田信雄』はこの物語(天正伊賀の乱)では死なないことが自明である。忍びの主人公「無門」が信雄を何度か追い詰めるのだが、そのためにギミックをいろいろと配置してある。僕は楽しんだ方であるが、しらける人は少なくないと思う。

 

 

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