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夫の家事負担が上がらない理由

TBSのドラマで佐々木夫妻の仁義なき戦い。家事の出来ない妻(小雪)と家事に細かい夫(稲垣吾郎)の弁護士夫婦のコメディだが、男女を入れ替えるとドラマになるような話ではない。ずぼらで飲んだくれの夫と几帳面な妻の話など面白くもなんとも無い。

これは女性が家事をこなし几帳面、男性は外での付き合いもあるし、おおらかという社会常識を逆手に取ったドラマであろう。女性(男性)はこうあるべきだと言う社会風潮、家族・周辺からの教育が培った逃れられない呪縛なのか。女性の社会進出は難しいという皮肉が痛いドラマだ。これがコメディとして成立するのはジェンダーへの理解が進んでいないからであろう。

閑話休題。僕の妻は子どもがいないがパート勤務で正社員ではない。そのパート代を自分のポケットに入れているので実質専業主婦だ。現在の僕の家事負担率は2~3割程度か。休日以外の食事の用意はパートから帰った彼女がやる。洗濯も干すところまでは僕もやるが夜に干して、パートから帰った彼女が乾いた洗濯物を取り入れ、たたむ。掃除は週に1回2人で掃除機をかけ、雑巾掛け、トイレ掃除をする。風呂掃除はメインが僕。

この家事負担率の差は可処分時間の問題だと認識している。僕の方が早く家を出、遅く帰ってくるため、可処分時間に差があるのだ。この差に彼女が家事を行うため家事の負担率が変わる。なので彼女が正社員になったら家事負担率は5割に近づいていくと思われる。子どもがいないのでことは単純なのだ。僕は自分のワイシャツのアイロン掛けはするし、土日の家事負担率は5割に近い。

ところがそうならないのではとも思っている。1つはジェンダーだ。妻は自分が正社員になっても家事負担率は変わらないと思っているようだ。そうすれば自分の負担だけが増えると。また妻が専業主婦に近い割りに僕が家事をやっていることを両実家に知られたくないというそぶりもあるのだ。その一方で僕のことを「家事を割とやっている」とも思っていない節がある。というよりやって欲しくない様子なのだ。何故?

もう1つは家事のスタイルを自分のやり方でやらないと気が済まないという点があるらしい。洗濯の際にはパンパンやって干すと掃除機を掛ける際にはここに注意してくれとか。自分流を相手に押し付けるのだ。プロに頼むわけではないので他人に頼む以上、少々の流儀の違いは発生する。下手すると仕上がりは変わらなくてもやり方が違うと気に入らないらしい(本当は仕上がりにも影響しているのだが)。文句ばっかり言うか、自分でやった方が精神衛生上よろしいということになる。可処分時間が同等になることで家事負担率が5割ずつになると、妻の精神ストレスが上がってしまうのではないかと想像している。だから妻に働いて欲しいという要請を受け入れないのではと想像する。もっとも妊娠を望んでいるという事実も重いのだが。

よく夫が定年後に家事をやらないという新聞の相談が多い。夫だってフルタイマーからパートタイマーになるので時間が足りないと言うことは無い。新聞などで夫が家事をしないことを妻が快くないということは知っているであろう。その中での軋轢が絶えないのは妻が夫の家事に「ケチ」をつけて、夫が家事に嫌気がさしてしまうのではと思う。

家事の分配は可処分時間の問題だけではないのだ。家事のスキルレベルに問題があり、口を出したいのなら費用を提出させて代行するので我慢するか、上司部下の関係を築くしかない。もちろん夫は部下だとは思っていないので、応分をこなせば義務は遂行したと思うであろうからなかなか上手く行かない。

では夫はどうすればいいか。子どものいる家庭は想像でしかないのであるが、ざっくり家事の分担を決めてしまったらどうであろうか。そしてお互いの家事のレベルにはケチはつけないことが重要だ。手抜きを許容するのだ。どうしても我慢ならなければ家事のトレードを行えば良い。洗濯のやり方がどうしても気に入らなければ掃除を代わってもらうとか、食事は交代でやりコストや味・メニューにケチをつけないとか。家事負担率も可処分時間の割合で決めれば良い。妻の方が忙しければ夫の家事負担率を上げればいいのだ。

実はこれを結婚前に決めなければ成功しないのではないかとも思っている。24時間呼びつけられる可能性のある仕事に就いている人も居るだろうし、毎日定時で帰れる人も居るであろう。仕事の拘束性が強い人ほどパートナーの理解が必要だ。そうでない私ですら、、、なのだから。

現在は核家族社会なので夫婦の取り決めは夫婦だけで決められる事項が多い。女性が積極的に仕事が出来れば所得も増えるし、社会進出したいという欲求も満たせる。そのためには男性が家事の負担をきっちりと行うのがお互いの幸せのためというものだ。今後は資源不足から物価は上がるであろう、これに対応するには所得を増やすしか方法が無い。妻がパートタイマーでは所得の向上が期待できない。スキルの向上とそれに対する収入の向上が期待できる職種を選ばないと良い暮らしはキープできない。

こういった経済問題がジェンダーを解決する唯一の方法かもしれない、道徳に訴えたってなんの役にも立たないであろう。まだ男女同権が叫ばれて1世紀も経っていないのでよく分からない部分もあるとは思うが。

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