さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

仔イノシシ料理を食べる

2016-11-21 22:20:22 | 食いしん坊レビュー
どう書こうかなぁと逡巡している間に数日が経ってしまった。なのでこれは後日UPなのであるが、この話をしたときの昼友男子達の反応を見て、世の中にはまだ抵抗がある人が多いなと実感。さはさりながら、近年イノシシが急増し、イノシシに荒らされることで農業が続けられない等、深刻な問題が起こっている地域もあるらしいことも耳にするため、イノシシは逆にもっと食べた方がいいのかもしれない。正しく下処理し、正しく調理をすればこんなにおいしいものだということをPRする意味でも、頑張ってブログ記事を書いてみようと思う。

今回は生後6か月ほどの、うりぼうと呼ばれる時期を脱して間もない8キロぐらいの仔イノシシを、新鮮な状態で入手した、凄腕イタリアンシェフによる、絶品料理を堪能してきた。

私は今までの短くはない人生の中で、イノシシを口にしたことはほとんどない。最初は缶詰で甘辛く煮てある奴を食べ、臭みが強いと思った。2回目は学生の頃、イノブタの肉の細切りと野菜を一緒に炒めたものをどっかの河原で剣道関係者で食べた。その時もやや臭うと思った。

だが、今回は臭みはまるでなかった。仔イノシシであるから風味としての乳臭さがないわけではなかったが、豚肉にはない凝縮された旨味と、仔ならではの柔らかさが絶妙であった。

実際、イノシシは精肉前の下処理で相当味が違ってしまうらしく、すぐに血抜きをする必要があるとのこと。頭と内臓、毛皮を取り除いた状態のものをまず見させていただいて、そこから、シェフと、この肉の買い付け・卸しをされている方による、鮮やかな手つきの解体ショーを見学した。

正直、頭も毛皮も内臓の無ければ、見てる立場としては、普段の料理の延長線上であり、グロくもエロくもない。

ただ、いきなり画像を載せると、人によってどのような受け取り方をされるかわからないので、リンク形式にして、見たい人だけクリックして見ていただけるようにした。

▼背中に刃を入れる(包丁より小ぶりの、鋭いナイフを使う)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b8/2d4e615d8f7406e4cc2675d39de9a285.jpg

▼背骨と肋骨の関節を開いていく・・骨を断つのではなく、関節を開いていく感じで・・・って、そこって関節だったのか! 考えてみればそうなのだが。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/cb/ed1bddc26f2dae18a8f8ad450ea79e66.jpg

▼前脚を切り離す・・・切り離すっていうか、身体の構造を知り尽くしている人が、正しい位置に刃を当てると、自然に開いていく感じ。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/46/5720fec6104991c50cd5091e7819a0c8.jpg

バラ肉を肋骨の周囲から取っているのを見て、そうか、バラ肉のバラってアバラのバラだったのか・・と初めて合点がいく。(私は脂と肉の部分がほどけやすいので、すぐバラバラになる肉という意味かと思ってたよ。)

その後、肉を煮込んでいる間、前菜を楽しむ。


タケノコ(右)ってスモークにしてもおいしいのね。鯛の一切れが猛烈に味わい深い。


左側はタラの白子のフリットということで、あ~こんなの食べてたら罰が当たるんじゃないかと思うほどの美味。

右はカルドンチェッリというイタリアの天然のエリンギでつくられたもの。


これが調理前のカルドンチェッリ。日本で見るエリンギは太く育つように改良され人工栽培されたものなので、見かけは全然ちがいますね。天然物はこんなに傘の部分があるのね。


で、出てきましたよ・・イノシシの一品目が。パスタに絡められたお肉がそうなんですが、旨味が凝縮されてる感じで、思わず唸る逸品。


次に、これは本当に今日きてよかったな~と思ってしまうほど美味かったロース&フィレのロースト。仔イノシシだから、右側のフィレはちょっとしか取れない貴重品。

いやぁ~これだイノシシ肉の本来の美味しさなんだね。若い頃食べた缶詰のイノシシ肉と、河原で焼いて食べたイノブタ肉っていったい何だったんだと考え込んでしまう。

で、お肉が下に敷いてある野生のルッコラとめちゃくちゃ合うのだ。やはり豚肉とイノシシ肉って全然違うのね。


次に出てきた煮込みがすごくて・・杏と赤ワインを入れて煮込んだとか。あの解体を始めた時に、背中の方にドーンと乗ってた白い脂身がたっぷり含まれているのだが、これが不思議なほどにするすると食べれてしまう。例えば同じ量の豚の角煮だったら絶対食べれないと思うのだが、仔イノシシならではの柔らかさと、杏のほのかな甘酸っぱさも手伝って、結構食べれてしまう。


一緒に煮込んでた骨の部分もみんなでしゃぶりついて食べる。


私はしっぽのお肉をいただく。肉がないように見えて、しゃぶりつくと、意外にあるもんだ。

で、デザートは?とシェフに聞くと、皆さんまだ食べるんですか?とあきれ顔。


ホワイトチョコレートとジンジャーを合わせたふわっとしたアイスクリームで、ホワイトチョコが入っているとは信じられないさわやかさ。


これで終わりかなぁと思ったら、シェフが白トリュフを・・・。

みんなで匂いをかがせていただいたが、こんなに香るものだとは・・・。匂いが伝わってくるのが遅いのだが、伝わってくるとすごいというか、そもそもほとんどお目にかかったことがない白トリュフ・・・こんな塊を拝ませていただけるとは。

拝んだだけで終わるわけもなく。。。


最後に卵麺のタリオーニ白トリュフ添え。

ひゃぁ~・・一口食べてしばらくした後にめぐってくるトリュフの香りの不可思議さと細い卵麺の形而上的な上品さ・・・。

今までの人生で食には質よりも量を追求してきた私・・・一日で質も量も追及してしまった私、冗談も言えないほどの満腹に。

美味しいものを食べるだけでなく、参加するたびに勉強になる集まり。私もそれなりに濃い人間だが、参加された方はどなたも私以上に濃そうな人ばかり。

なかなかここには来れないんですが、これからも機会を見つけてここに足を運んで勉強させていただきますよ。
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