アレクサンドル・デュマ作/山内義雄訳/岩波文庫
やっと全巻読み終わった。何だか2ヶ月ぐらいかかっちゃったな。
ヴィルフォール家が一番犠牲が大きく、モンテ・クリスト伯もそこまで酷いことになるとは思っていなかったようで、自分の行動に疑問を持ち始める。特にエドゥワールまでヴィルフォール夫人の手にかかり無理心中の犠牲になるとは。またヴィルフォールとダングラール夫人の子で、殺人の罪を犯したベネデットが自分の父はヴィルフォールだと法廷で宣言し、妻と息子にも死なれたヴィルフォールは発狂。
娘のヴァランティーヌとノワルティエ老人は助け出された。ヴァランティーヌは義母のヴィルフォール夫人に毒殺されるところをモンテ・クリスト伯に助けられ、逆に仮死状態になる薬により、ヴィルフォール夫人の目を欺き、助け出されたのだ。
まるでロミオとジュリエットに出てくるような仮死状態になる薬。本当にあるのかねぇ。まぁ小説だから。
ダングラール家は破産。逃げ出したダングラールはモンテ・クリスト伯の手の内にある山賊に捕まり、さらに金をゆすりとられ、飢えに苦しんだ上で、わずかな金と共に釈放された。もうこのくらいでいいだろうとダンテスは思ったのだ。
そしてダンテスの恩人の息子であるマクシミリアン・モレルとヴァランティーヌに自分の資産を渡し、身ひとつでエデとともに去っていくモンテ・クリスト伯ことダンテス。復讐はやり遂げたが、どうやら苦い思いだけが残ったようである。復讐したところで、戻ってこない失われた愛もあった。わずかに救われた者たちの存在がこの物語の救いである。
最後まで読んで、やはりディーンフジオカ主演のドラマはうまくまとめてあったな・・・と思うことしきり。ドラマの方が原作より犠牲者が少なかった。また原作ではダングラール夫人の存在感がドラマより小さかったな。