2013年を終わろうとしたとき、世界の関心は東アジアであった。しかし、2014年の世界の関心は再び、中東や東ヨーロッパに戻った。中東では、シリアやイラクの安定化が進まぬ中で、アメリカ軍の力の空白が進み、それとともに、イスラム国というこれまでにない軍事的、政治的な勢力が生まれた。非妥協的で、あえて言えば、エボラ出血熱のような正体不明な相手である。エボラがその対処法が分からぬことで、人々を不安に陥れるように、イスラム国も、何をするか分からぬ不安を世界中に与え始めている。それに比べれば、ウクライナへのロシアの干渉は相手がはっきりしている。話すこともできる。もちろんロシアという国が軍事的に巨人であるがゆえに、対応も、細心の注意を払って行われている様だが、中国と違い、思ったほどに、経済的な強さを持たぬようで、世界的な原油安が起きれば、通貨ルーブルは暴落し、ロシア政府を慌てさせているようである。しかし、不思議である。西アジアで緊張が高まると、東アジアでの緊張は弱まる。西アジアとはシリアやイラクからロシア南部、アフガニスタン、新疆ウイグル自治区へとつながる広大な紛争地域であるからかもしれない。(2015.1.3)
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