テリトリーというのは動物の世界ではよくある話である。自分の縄張りを確保し、安定した食料を確保するというものである。だから、この縄張りに侵入してくるものがいれば、激烈な戦いが起こる。身近なところではもずの縄張り争いがある。谷戸のあちこちで見ることができる。さて、人間世界でも、このテリトリー争いは激しい。自分の仕事だと思っていることに、ずかずかと他人が入ってこられると、無性に腹が立つ。規則で、決められていることならば、やんわりと相手を注意することも出来るが、往往にして、この種の縄張りは自分で、そう思っているだけのことも多いので、非難することも出来ず、まして、相手のほうがうまくやりこなして、周りの人たちからの評価を上げたりすれば、不満の捌け口を無くし、その人物への憎しみさえ抑えることが出来なくなる。そもそも、テリトリーといものは自分の安全を確保するために作っているものだが、それは自分の進歩も妨げる。そして、自分自身の破滅さえまねきかねないこともあるのだ。アフリカの草原にインパラがいる。多くのインパラは群れをなして生活しているのだが、一部のオスにテリトリーを作り、孤独に暮らしているものがいる。このテリトリーに他のオスのインパラが入ってこようものなら、壮絶な戦いが始まる。けれど、その戦いに勝ったオスインパラも、そのテリトリーから出られない悲しみを味わうことになる。一人、その限られた場所にいることを凶暴なハイエナに狙われるのである。
Y-FP Office Japan
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