甘利明経済財政・再生相の金銭授受疑惑が安倍政権を揺るがしている。甘利大臣といえば「13年3月末に13000円」という発言から、日経平均株価の13000円を甘利ラインと呼び、「株価が14800円の壁を突破できず資産効果が止まっている」発言から「甘利越え」という新語まで生まれたほどに、マーケットにインパクトを与えてきた。さて、そのマーケットである。年初から、一本調子で下げ続けてきた株価も、ECBのドラギ総裁のダボス会議での発言、ECBがより強力な緩和策をとるという発言を好感して、再び、上昇に転じている。ただ、投資家の心理は今、恐怖の中にいる。この根本的な問題は中国の問題である。中国の問題と言っても、中国経済が悪化しているということではない。警戒すべきは中国の地方政府の財政破たんとそれに融資しているフアンド・シャドーバンキング・地方融資平台の破たんで、かのアメリカの金融危機プライムローン問題の時のように、そのヘッジがどことどう関わっているか、単に、中国国内だけの問題で済むのか、それとも、世界的な金融機関にまで、損害が波及するのか、まったく読めないところにある。だから、誰もが戦々恐々としている状況なのだ。そして、この不安感だけで、下手をすれば、甘利ラインさえ突破するかもしれないのである。(2016.1.24)
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