中国では7月15日から18日まで、三中全会が開催される。中国では5年ごとに開催される全国代表大会の間に、7つの党中央委員会全体会議が開かられる。これを1回目から1中全会、2回目を2中全会、そして、3回目を3中全会という。3中全会の主要テーマは経済なので、不動産不況などで悪化する一方の中国経済の下で、本来ならば、去年の秋に開催されるはずであったものが今夏にづれこんできたのである。さて、現在の中国は習近平主席の独裁政権である。習主席の提唱するテーマが主要テーマになる。それが「新質生産力」だ。新質生産力は昨年9月に習主席が初めて言及したもので、未来の発展は革新が主導しなければいけない。革新を通じて質的に向上した財貨の創出能力が新質生産力と言うのだそうだが、意味は今一つ、理解できない。だが、実際に中国政府が力を入れているのは、中国製造2025に示されているようにEVや太陽光パネル、AIなどの産業である。元々、資本主義では、市場の求めるものを生産する。それが需要と供給のアンマッチを防ぐ。しかし、中国では共産党の関心が米中の技術力競争に傾いているので、現状の不動産不況などは放置したまま、ひたすら、EVなどを生産し、中国市場では処理しきれないほどに生産し、そのはけ口を海外市場に求めるのである。そして、その利益で不動産不況などのマイナスをカバーしてしまおうという目論見である。だから、今回の3中全会も、このような趣旨で推移するのではないかと思われる。(くちなし亭、2024.07.07)
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