昨年の金価格の推移だが、日本金は為替の影響を受けるので、NY金での価格の推移を見ると、年初は1トロイオンス1097ドルであったのに対して、年末は1153ドルと微増であった。ただし、年内の動きは活発であったのは、イギリスのEU離脱という国民投票の驚愕ニュースが飛び込んで、安全資産と言われる金に買いが集まった。8月末には同1340ドルにまで跳ね上がったのである。しかし、金価格はドルの値と反比例する。アメリカのFRBによる利上げ予想からドル高に移行すると、金価格もずるずると下落し、年初の水準にまで戻ったのである。さて、伝説的な米投資会社クォンタム・ファンドを共同設立したジョージ・ソロス氏(85)とジム・ロジャーズ氏(73)だが、現在、その投資方針の違いから、別の道を歩んでいるという。ソロス氏は、「市場は常に間違っている」という信念に基づいて、市場は投資家の行動により常に変化し続けるとする「再帰性理論」を唱える。一方、ロジャーズ氏は、国際情勢からマクロ経済、金融政策、社会のトレンドなどが引き起こす需給の変化を調査して、そこから価格の大きな上昇または下落を予想してポジションをとる「グローバル・マクロ」方式を重んじる。そして、昨年年初に彼らが重要視したものは、ソロス氏が金で、ロジャーズ氏がドルだった。本来、相反する動きをするはずだったのだが、金も上がったし、ドルも上がった。(2017.1.21)
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