安倍政権の安定化が進んでいる。その安倍政権の政策目標は、いわゆるアベノミクスと呼ばれるもので、柱の一つがインフレターゲットの設定である。実は、このインフレターゲットを中央銀行法の改正をして、正式に実施している国は多い。変動相場制を採用している主要な国で、実施していないのはアメリカと日本くらいのものである。その先駆けは1989年のニュージーランドである。物価安定を政策目標に位置づけた新中央銀行を成立させた。正確にいえば、消費者物価指数(CPI)とインフレ率は異なる。例えば、2%のデフレ下では、目標インフレ率を2%としていたのでは、当初の目的を達成できない。だから、多くの国では、CPIを目標とするインフレターゲットの設定である。このインフレターゲットの実現のためには、単に、金融緩和策だけでは達成できない。為替の管理も重要である。その事例として、大恐慌時のスエーデンの政策が改めて、注目されている。1931年から1837年の間、スエーデン政府と議会は目標を含む物価安定プログラムを設定し、次に手段の独立性を保証されたスエーデン中央銀行がCPIを毎週公表しながら、公定歩合操作や為替介入を行った事例である。結果、CPIは上昇に向かい、景気回復をもたらしたのであった。アベノミクスも日銀法の改正を視野に入れていると言うが、そこまで、徹底して、行わなければ、失われた20年からの回復は難しい。さらに言えば、今年に入ってからの円安傾向を円安誘導、通貨安競争などと批判されて、腰砕けになるようでは、実現は難しいのである。
Y-FP Office Japan
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