2015年を揺るがしたいくつかの出来事がある。一つ目はイスラム国(IS)ならびにISに同調するイスラム教徒が欧米などで起こしたテロ事件であり、もう一つは中国を中心にして起こったことである。これらのことは次章以降に譲るとして、そのほかの大きな出来事について、述べてみたいと思う。昨年はアメリカのオバマ大統領の融和政策が実った年であったと思う。一つは1961年以来、国交を断絶していたキューバのカストロ議長との首脳会談を実現させ、7月には国交を回復したことである。そして、同じ月、イランとも、核協議の最終合意を成し遂げたのである。ただ、この融和策はある意味、腰の引けた外交とも映る。キューバとの外交関係の復活はさほどの軋轢を生むことはなかったが、イランとの核協議妥結は周辺に紛争を抱えている国々がひしめいているので、イスラエルやサウジアラビアなどの国々とイランとの新たな火種を生むことになる。ただ、世界は確実に、民主化への動きを進めていることは間違いない。11月、ミャンマーでは、アウン・サン・スー・チー氏が率いる最大野党が上下両院の過半数の議席を獲得して圧勝、新政権をつくることになったのである。(2016.1.4)
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