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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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アントニオ・カルロス・ジョビン/イパネマの娘(SHM-CD)

2008年08月01日 23時57分06秒 | Jobim+Bossa
 私の夏になると聴きたくなる定盤....というか、もはや私のエバーグリーンとなった感あるジョビンとオガーマンが組んだ「イパネマの娘」だが、今調べてみたら昨年は調度同じ日にSACD盤を、一昨年は7月1日に初めてとりあげていた。どうも毎年、夏の節目とかになると、ひんやりとして硬質なストリングスとシングルトーンでとつとつと奏でられるるピアノの絡みで仕立てられたジョビンズ・スタンダーズが無性に聴きたくなり、そのついでにこれについて何か書きたくなるというのはどうも習性が定着してまったらしい(笑)。したがって、このアルバムは当ブログへ今回で実に都合三回目の登場と相成る。

 さて、今回聴いたのは、今、話題SHM-CD盤である。SHM-CDというのは、基本的には通常のCDと全く同じフォーマットによるものだが、CD自体の素材や製法を吟味して更なる音質向上を図った....というのが売りのようで、ジャズやクラシック、ロックなどこのところ立て続けにカタログを順調に拡大中らしいので、市場でもそれなりにその音質向上が認められているのだろう。個人的にはCDの上位フォーマットとして、既にSACDやDVD-Aがある以上、今更、CDの音質が多少あがったところで、なんだかなぁ....という気持ちもあったので、あまり手を出す気もしなかったのだが。
 実際聴いてみると、確かに音質向上は認められる。しかもかつてのHDCDだのK2だの時にあったような、そうした手法自体による効果というよりは、リマスタリング時に行った音質調整(音圧を上げる、どっかの帯域を持ち上げる)に頼ったものではなく、どうやら本当にこうした手法が効果を上げていそうな気がするからおもしろい。

 音質向上の効果としては、高域が繊細になって全体に見通しがよくなっている点が顕著だと思う。SACDを聴いた後、CDを聴くとなにやら滑らかさ後退し、全体に音が窮屈な感じがしたりするものだが、そのあたりが解消された....とはいえないにしも、かなり改善されているような気もするが大きい。実際、SACDの方とも聞き比べみたいが、もちろんSACDのようなレンジ感や自然さはないとしては、SACDの音のニュアンスにけっこう近づいているように思える。そんな訳でSHM-CD盤の音はけっこうおもしろい。従来と完全互換のCDフォーマットとしてはなかなかのものかもしれない。ただ、先に書いたとおり、私は既にこの音に先にあるフォーマットを体験してしまっているので、正直いってこのくらいでは、もう驚かないというのも事実である。
コメント (2)
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