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ベートーベン 交響曲第2番/ヨッフム&ベルリンPO

2008年02月07日 21時07分25秒 | クラシック(一般)
 このヨッフムのベートーベン交響曲全集は、もう何度も書いている通り、非常に優れた全集である。彼はこの後、アムスとかロンドン・シンフォニーを振って全集を作り直しているのだけれど、「いにしえの主情的スタイル」という意味では、現在聴いて一番価値のある演奏なのではないかと思う。なにしろ、60年代以降のヨッフムそのものが時代の流れを反映してか、けっこう円満な演奏スタイルに変貌しているはずだから、私は聴いたことがないのだけれど、その後2度作った全集とはかなり違う演奏なのではないかと思うのだ。この時期のヨッフムのスタイルはドイツ的な重厚さ、構築感をベースにしつつも、全体としてはかなりホットで主情的である。髪の毛を振り乱し激情的....というほどではないが、戦前の演奏様式というのは基本的にこういう高カロリーなものだったのだろうことを伺わすに十分といったところだろうか。

 さて、この2番だが万事そういうスタイルに支配されているせいか、まるで後期ベートーベンを思わせる気宇壮大なつくりになっている。気力も緊張感も十分でとても充実した演奏で「これぞベートーベン」という感じではあるのだが、この曲、全体としては第1番の続編というか、まだまだ古典音楽的なスタイルに縛られいるところもある曲なので、聴いていて、「いやぁ、2番って、本当はもっとこじんまりとして優美な曲じゃないの?」とか思ってしまう。まさに「英雄」「運命」「合唱」のラインで解釈した演奏である。
 ちなみに、何度も書いているが、この全集はステレオとモノラルが混在していて、先日の1番やこの2番はステレオ録音である。有名な奇数番の方がほとんどモノラルというが残念だが、こちらのステレオ録音はリマスタリングの成果もあって、とても腰のあるしっかりした音で鳴ってくれる。現在の耳で聴いてもほとんど遜色ない音質といってもいい。、ただ、演奏スタイルを考えると、かえってアルカイックなモノラル録音だったりした方が、雰囲気がでたかもしれない。
コメント (1)
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