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ベートーベン 交響曲第1番/ヨッフム&バイエルン放送SO

2008年02月01日 22時26分56秒 | クラシック(一般)
 「困ったことは、今現在私があまりベートーベンを聴く気分ではないということだろうか」と先日書いてはみたものの、実はけっこう聴いていたりする。その時も書いたが、ヨッフムがモノラルからステレオ期に残した全集をまるごとWalkmanに入れてあるのだ。特に1番が一番聴く頻度が高い。1番といえども、さすがにベートーベンなので、この時点で既に十分にゴリゴリと押しつけがましさがあり、がっしりとして筋肉質な彼の音楽的体質が感じられる。第一楽章は例の奇妙な序奏から始まりまるものの(そういえば、シェーンベルクの室内交響曲の冒頭って、これのオマージュだったの?)、あとは実に堂々壮麗に展開される。本編の方はオーバーヒートしながら疾走するようなスピード感と随所叩きつけるにリズムを連打する場面があるが、このあたりはいかにもベートーベンだ。ハイドンの交響曲を私はまだ29番までしか聴いていないけれど、確かにハイドンのそれとはスケールといい、ある種の刺激の強さといい、確かに時代がひとつ先にいったようなモダンさは感じる。

 第2楽章はまずまず古典的な緩徐楽章だけれど、やはりハイドンのようなお気楽さ、のんびりした感じがなく、一見、田園風景的な音楽とはいっても、全編に渡ってある種の緊張感があり、中間部でみせる陰りあるトーンが次第に悲劇的なムードに高まっていくあたり様式を超えた自己主張を感じないではいられない。また第3楽章はメヌエットとは標記されているものの、実は紛れもないスケルツォで、当時メヌエットに聴き慣れた人にはさぞや刺激的な音楽だったろうと思わせるに十分である。
 最終楽章だが、個人的に第1番というとこの楽章が一番好きだ。冒頭こそやや構えがデカイものの、本編は実はに屈託の明るさに満ちた、ちょっとモーツァルト的といいたいような天馬空を行く的なところが楽しい。それにしてもヨッフムとバイエンルンの演奏は実に重厚でホットだ。私はこの曲をセルとクリープランドの演奏で知り、その後CD時代になってから長いことカラヤンとベルリンの70年代の演奏を聴いてきたのだが、どちらももう少し軽い、スポーティーな演奏だったような気がするのだが....。よーし、これをきっかけにそっちも聴いてみるか。
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