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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

蘇慧倫/就要愛了[口馬]」

2005年03月27日 00時00分00秒 | 台湾のあれこれ
 台湾ポップスで好きな人といったら、なんといってもこの人。10年くらい前に訪台した際に何枚か購入してきた現地のアーティストのひとりだったんですけど、とにかく一聴して、澄み切った、まるで青空みたいな声に魅了されました。もちろんこれがそのアルバムです。

 蘇慧倫(すう・ほいるん、ターシー・スー)は、1990年にデビュウしていますが、これは1994年の第6作となります。これより以前はあまりといえばあまりなくらいに日本的なアイドル路線でしたが(酒井法子の台湾版みたいな感じ)、この作品を契機にちょいと大人びた王道ポップス路線となり、単なるアイドルを超えた国民的な人気を持つ歌手になっていったようです。

 で、このアルバムですが、音楽的にはアメリカのウェストコーストAORと日本のニューミュージックをベースに、情緒豊かなメロディーと大陸的な感覚が絶妙にバランスした音楽....つまり典型な台湾ポップスですね(ひと昔前のそれですが)。例えていえば、佐藤準がアレンジしていた頃の今井美樹をよりメロディアスにしたみたいな感じといったらいいかもしれません。フュージョンっぽいサウンドをバックに、ちょっと背伸びして歌うターシーの澄んだ声がとても魅力的です。

 彼女はその後、台湾ポップスの第一人者として、「Lemon Tree」や「鴨子」など次々に大ヒット曲をリリースし、-詳しい話は省きますが-何故かキャラクターも二転三転させていく訳ですが、この作品はターシーが「楚々とした正統派の美人ぶり」をもっとも発揮した1作として、数ある彼女の作品ではもっとも好きな1枚です。

 
コメント (3)
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高勝美の台湾演歌集

2005年02月14日 23時00分00秒 | 台湾のあれこれ
 
 実は私、台湾フリークなんです。台湾といっても台北に何度か行ったくらいなんですけどね。ほとんど世界中の大都会と同じような台北のビルの合間から、ちょっと路地を入ると、まるで昭和40年台前半にでもタイムスリップしたような懐かしい風景によく出くわすんすよ。ここが好きなんですねぇ。
 半分、朽ちかけたような煉瓦で出来た蔵か倉庫のような建物、夜市の賑わい、ふいと通りかかった家の開いた扉から見える、お膳で家族そろって雑然飯を食べる光景など、まるで自分が子供の頃に戻ったように感じるんです。これが、もっと文化が日本とかけ離れていたところなら、もっと違ったエキゾチックなものを感じるのだろうけど、なんだかほっとすらしてしまうのは、見えてくる風景が感覚的にあまり日本と違っていないからなんでしょうね、きっと。

 台湾は日本のJ-Popに相当するものは北京語、演歌には福建語で歌われることが多いらしいです。どうしてそうなのか詳しい事情は省きますが、ともあれ、私は演歌という音楽は、基本的にというか、むしろ積極的にキライなクチですけど(笑)、台湾の演歌は日本のような暗い「恨み節」がほとんどないところや、日本の演歌以上に美しいとしか思えない情緒たっぷりな旋律、あとなんといっても福建語の滑らかな語感というアリバイがあるせいか、けっこう聴いたりします。
 この高勝美は台湾のベテラン歌手で、演歌だけでなく、懐メロでも、AOR風なポップスでも、とにかくなんでもかんでも歌いまくっている人らしいです。CDも沢山出しているようですが、このアルバムでは台湾の古典的演歌十数曲を(吉幾三の歌なんかも入ってますが)、彼女特有の高域に弾力のある声質と独特の抑揚をもった歌い回しでもって歌っています。彼女が台湾でどの程度評価されている人なのかは知りませんが、なんでも危なげなく安定して歌いきってしまう歌唱力はまさに職人芸。本来、他の人の持ち歌を完璧に高勝美の世界にしてしまっているのはさすがです。

 特に1曲目「無情世界多情人」は、既視感を誘うようなイントロといい、思わず懐かしいさがこみ上げるような旋律といい、ちょっぴり大陸的な人懐っこさといい、私にとっては、「テーマ・オブ・台湾の裏路地」的な名曲です。台湾の裏路地の屋台で、ビール片手に、腸詰めだの、天麩羅(薩摩揚げのこと)なんかかじりながら、これ聴こえて来たら最高だろうなぁ....と、聴く度に思ったりするんですよね。あぁ、台湾に行きたいっす。
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