「こころの耳 ~伝えたい。だからあきらめない~」早瀬久美
この本を図書館から借りたきっかけは、
この間ブログにも書いた薬剤師会新年会でのこと。
薬剤師会の小野理事長が、ご挨拶の中でこの本の著者・早瀬久美さんのことをお話しされたのです。
先天性の聴覚障害を持った早瀬さんは、母親が薬剤師であったことからご自身も薬剤師を志し、明治薬科大学に入学。
卒業時には薬剤師国家試験にも見事合格しました。
しかし、「耳の聞こえない者には免許を与えない」という薬剤師法の欠格条項により、免許申請は却下に。
このことがきっかけで欠格条項撤廃の機運が高まり、ついに2001年に法改正が行われ、
早瀬さんにろう者として日本で初めて薬剤師免許が交付されることになりました。
私が免許を取得したのは、まだ欠格条項があったころです。
法改正された頃はちょうど子育て真っ最中で仕事から全く離れていたので、
恥ずかしながら早瀬さんのことはこの日小野理事長のお話を聞くまでは全く知りませんでした。
あの頃、自分が晴れ晴れしく免許を手にしていた一方で、障害ゆえに薬剤師の道を泣く泣くあきらめた方々が存在していたなんて、
少しも考えたことはありませんでした。
一人の若い女性の行動が政府をも動かしたのですから、さぞかしご本人が先頭に立って声高に運動されたのかと思いきや、本を読んだ印象では意外とそうでもないんです。
彼女はこう書いています。
「伝えないことには何も始まらない。
目的が叶うということを前提に話し合いや交渉を進めると、目的を叶えることが基準になって相手の話や条件を受け入れにくくしてしまう。
目的を叶えるという意志も必要だが、まずは自分の思いや考えを相手に伝えることだと思う。
そのためには相手の話をまず聞くこと。相手の立場を理解してそのうえで相手に伝わる方法を選択してきちんと自分の思いを伝える」
障害ゆえに、相手とのコミュニケーションに苦労されてきた早瀬さん。
「伝える」ということの難しさや大切さを、身に染みて感じていたのだと思います。
早瀬さんは現在、病院勤務薬剤師の傍ら、ボランティアでろう児のためのフリースクールで指導したり講演に飛び回るなど、精力的に活動されています。
ろう者の国際的なスポーツの祭典・デフリンピックにも出場するなど、本当にパワフル!
耳の聞こえない子供たちにとって、彼女の存在が希望の光であることは間違いありません。
この本を図書館から借りたきっかけは、
この間ブログにも書いた薬剤師会新年会でのこと。
薬剤師会の小野理事長が、ご挨拶の中でこの本の著者・早瀬久美さんのことをお話しされたのです。
先天性の聴覚障害を持った早瀬さんは、母親が薬剤師であったことからご自身も薬剤師を志し、明治薬科大学に入学。
卒業時には薬剤師国家試験にも見事合格しました。
しかし、「耳の聞こえない者には免許を与えない」という薬剤師法の欠格条項により、免許申請は却下に。
このことがきっかけで欠格条項撤廃の機運が高まり、ついに2001年に法改正が行われ、
早瀬さんにろう者として日本で初めて薬剤師免許が交付されることになりました。
私が免許を取得したのは、まだ欠格条項があったころです。
法改正された頃はちょうど子育て真っ最中で仕事から全く離れていたので、
恥ずかしながら早瀬さんのことはこの日小野理事長のお話を聞くまでは全く知りませんでした。
あの頃、自分が晴れ晴れしく免許を手にしていた一方で、障害ゆえに薬剤師の道を泣く泣くあきらめた方々が存在していたなんて、
少しも考えたことはありませんでした。
一人の若い女性の行動が政府をも動かしたのですから、さぞかしご本人が先頭に立って声高に運動されたのかと思いきや、本を読んだ印象では意外とそうでもないんです。
彼女はこう書いています。
「伝えないことには何も始まらない。
目的が叶うということを前提に話し合いや交渉を進めると、目的を叶えることが基準になって相手の話や条件を受け入れにくくしてしまう。
目的を叶えるという意志も必要だが、まずは自分の思いや考えを相手に伝えることだと思う。
そのためには相手の話をまず聞くこと。相手の立場を理解してそのうえで相手に伝わる方法を選択してきちんと自分の思いを伝える」
障害ゆえに、相手とのコミュニケーションに苦労されてきた早瀬さん。
「伝える」ということの難しさや大切さを、身に染みて感じていたのだと思います。
早瀬さんは現在、病院勤務薬剤師の傍ら、ボランティアでろう児のためのフリースクールで指導したり講演に飛び回るなど、精力的に活動されています。
ろう者の国際的なスポーツの祭典・デフリンピックにも出場するなど、本当にパワフル!
耳の聞こえない子供たちにとって、彼女の存在が希望の光であることは間違いありません。