市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

巣立ちの前に

2012-03-24 | 障がい者
先日特別支援学校の高等部を卒業した長男が、市内の福祉施設にお世話になることになりました。
幼いころから、外出する際の付添や休日の預かりなど、ずっと利用させていただいている施設です。
あの頃新人だった職員の皆さんが今は中堅どころとして活躍されているのも、時の流れを感じてちょっぴり感慨深いものがあります。

そういえば、昔は知的障がい者の在宅での支援は、身体障がい者ほど進んでいませんでした。
特に外出するときの介助員など、
「足が不自由な方や目が見えない方の介助ならわかるけど、知的障がい者も必要なの?」
という認識が一般的だったと思います。

でも、知的障がい者も様々なタイプがあって、付添がいなければ外出もままならない場合がとても多いのです。
そして、知的障がい者も、「家族に連れまわされる外出」ではなく、「家族と離れた自分のための外出」をしたいんですね。
心は健常者と変わらないのです。

そのことを理解してもらうために、
市の窓口や、当時知り合って間もなかった市民ネットの皆さんには何回か相談に乗っていただいていました。

市の窓口に行くときは、迷惑をかけることを承知で敢えて長男を連れて行きました。
長男は非常に多動で、一秒でも目を離すと瞬く間にその場からいなくなってしまいます。
そのために、外出するときは必ず、大きな鈴と、そのころはまだ珍しかった位置情報端末を(勝手にむしりとられないよう)背中に括り付けていたほどです。

私が窓口で相談を始めると、当然長男は走り去ろうとします。その時、
「すみません、長男を追いかけて見張っててくれませんか?」
とちょっと図々しくその場にいる職員にお願いしてしまうのです。

チリチリ鈴を鳴らしながら、10階まである庁舎の階段を上ったり下りたり、トイレで遊んだり・・・
しばらくして戻ってきた長男は涼しい顔ですが、付添の職員はフラフラ。
息を弾ませながら、
「お母さん、これは大変ですね。こんなに大変だとは知りませんでした・・・」
と、
少々申し訳なかったのですが、市の担当職員に知的障がい児との生活の大変さを肌で感じてもらえたのも、今では懐かしい思い出です。


今日は午前中、施設にお世話になる前の健康診断のため、長男を病院に連れて行きました。
長男は生まれた時からとても丈夫で、この18年間で医者にかかったことは片手で数えるくらいしかありません。
その分医療行為に慣れていないので私もどうなることかと心配だったのですが、
尿、血液、X線、心電図、内診と、ほとんどトラブルなく済ませることができました。

でも、本人は自分が何をされるのか分からず、よほど不安だったのでしょう。
普段はあまり手をつなぎたがらないのに、待合室の椅子に座っている間中、
ずっと私にくっついて自分から私の手を握っていました。


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