黎明の廃人日記

最近はやや更新が途切れがち、斜めに流し読み。
貴方にも私にも人生の役には立ちません。

振り返ればきみ

2007年01月04日 22時37分02秒 | Weblog
1月4日分。

 ふと振り返ると、そこには鬱が待っていた……ってなわけで、仕事始めにしょっぱなから体調は少し微妙だわ、それに引っ張られたか鬱がじわじわ忍び寄ってきているわで困ったもんだ。ふっとぼんやりしていると、ああ死にたいなぁという思考がふっと浮かんできているわ、その後に自分で自分の頭を撃ち抜いているのを連想するわで、ああまあこれがもう当たり前になっちまったんだなぁと思ったり。
 ここ最近はそれでも落ち着いていたから、ああ、久しぶりだね元気だったかい、とでも声をかけてやりたくなるくらい。んなことしてると、うっかり手を捕まれてそのまま暗がりに引きずり込まれるから、やらないけれど。背後でぞわぞわとツタのように鬱が這い寄ってきているけれど、それでもまあ苦笑いくらいはしていられるんだから、まだ前よりは余裕ができたのか。それとも、諦めたのか。
 これとの付き合いもそれなりに長くなってきているけれど、未だにこいつが表層に出てくること自体を防ぐのは無理。ただまあ、他人から見て、少なくとも職場の人間が外から見て明らかに異常、と見て取られるようなことは無い。そこまで重症ではないということでもあるし、それだけ私が端的にゆがんでいるということでもある。仮面鬱というやつですな。職場でたまーに女性が気楽そうにわたし鬱病かもーと言っていることもあるけれど、鬱ってのはこういうのを言うんだよ、と内心でだけ突っ込む日常。こんなもんだあね。

 こんなもんだよなと思う自分もいるけれども、それでも、自分がここにいて、ここにいない感覚がある。別に、ここにいる必要も無いんだよな、という意識と感覚。別に今の居場所に興味関心はほとんどないのだし、ということ。この感覚と、這い寄ってくる鬱のきみとはまあ表裏一体な訳で。言ってしまえば、今の私は魂がすっかり抜けてしまっている状況とも言えるのかも。
 ここ最近、自分が本に固執するのは、本を読んでいる間だけは魂が自分の中に戻ってきているような感じがするから。実際には、戻ってきているというのは、感覚としては正しいけれども、外から戻ってきているのではなくて深部から表の方へ戻ってきているということなんだろうと思う。魂が、外の面倒な諸々に触れて疲れ果ててしまわないように、今の私は魂を底の方へ沈めて黙らせている。だから、普段はほとんどあらゆることに対して、大した興味も持たない。
 ある意味でこれは鉄壁の防御であるけれど、その代わりに他の人間が楽しめるような娯楽にも興味関心が無くなってしまうから、まあ退屈をいつでも抱えることになる。どっちが良いのかは、何とも言えない。普通ならば退屈なんて……というだろうけれど、私にとっては退屈を抱えてでも自分を守る必要があったということ。必要に応じていたら、いつの間にやら極端に不感症になっていただけの話。他人が私にとっては危険な存在なのであって、他人が普通にできるような人間づきあいをするには、他人よりも大幅に鈍麻させる必要があったということ。メンタル弱いんだからしょーがないじゃまいか。
 まあそういう状況の中で、本を読んでいる間は、特に他人を気にする必要がない。だから、その間だけは魂が底の深いところから上がってこられるのかもしれない。もしくはもう、私自身の魂はほとんど失せてしまっていて、本を読んでいる間は、本の中に込められた魂のかけらで代用が出来るからかも知れない。それすらも、私にとってはどっちでもいい。
 無駄な方向への知識やら何やらは、気がついてみれば人並み以上には持つようになったんだよな、という自覚はある。ただ、それらの真ん中に来るべき魂がすっぽり抜け落ちてしまっているから、整合しない。今ひとつ役には立たない。ごく希に、何かの拍子に魂らしきものが一瞬だけ浮かび上がってきたときに、手近にあった幾つかを組み合わせて、何かしら違うものを見せてくれることもあるけれど。それをもう少し高い頻度で再現できれば良いのにね、とは思う。まあ、あんまり頻繁に起こっても疲れそうだけれど。

 とまあそんなことを考えながら、『魂の駆動体』を読み切り。さて、次はどれを読もうかな、と。

読み:文庫『魂の駆動体』
買い:文庫『時計じかけのオレンジ』『祈りの海』『オトナ語のなぞ』
途中:なし
月次読破:文庫1冊、コミックス0冊
月次購入:3冊
通年度購入:178冊(文庫94冊、コミックス84冊)
通年度読破:180冊(文庫93冊、コミックス87冊)

それでは。