つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ パンプス

2021-04-09 12:14:26 | 楽しい仲間
                 エッセイ パンプス 課題【靴・服・装身具】2016.2.16

          昨年の冬、友人が言った。
          「家内が、靴を34足捨てたよ」
          余りにショッキングな言葉、次の問いができなかった。
          余命3ヶ月から半年、癌だと言う。
          奥さんとはお会いしたことは無かったが、友人は豊かな暮らしをしていたから、おしゃれなパンプスが、ズラーと並んだ          
          靴箱が目に浮かぶ。
          靴を捨てる、それも考えられない数。
          潔よいと言うのではないと思う。
          まだまだ生きられる若さもあるのに、もう履けないその理不尽さに、きっと怒りもあったのではと思ってしまう。

          私は毎日運動靴を履いて朝の散歩をする。
          格好の良いウオーキングシューズもあるが、靴屋さんで自分に合ったものを探すと、何でもない運動靴がしっくりくる。
          又、街歩き用を探していた時、棚の隅に一足だけだの靴と出会った。
          全面黒いメッシュの上履きのようなもので、かかとの部分に緑色の輪っかが付いている。
          試着してみると、軽くて心もとないが履き心地がいい。
          多分、足にぴったりの地下足袋はこんな感じではないだろうか。
          友人に「人力車でも引けそうよ」と言ったら笑われた。
          近所のお使いには、靴ひもの無い運動靴を履く。
          普段はこの三足とお出かけ用の二足と雨靴が下駄箱を出たり入ったりしている。
          他に、シーズンの変わり目に取り換える2~3足を、箱に入れ別の所に仕舞っている。


          独身の頃は、ヒールの高いパンプスを履いていた。
          紐の付いた靴は殆んど履かなかった。
          服装が少々活動的なものでもパンプスさえ履いていれば足元は完成とした。
          気に入った靴は毎日履くから、形が崩れて緩くなる。
          靴売り場にはよく行った。
          パンプスは、今、冠婚葬祭の時しか履かなくなった。
          友人の奥さんは、一年、頑張った。

          先生の講評・・・靴は健康を、暮らしを表わす。死。
                    独身から主婦へ。パンプスにはその性格が顕著に出るのだろう。
                    下線 の部分で色や服などに合わせて華やかな姿をほうふつさせたい。写真の様に。
                    


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする