先先生の講評…人間ドックの前に数日だけ節制して安心しようとした記憶がある。
この人間のほほえましさを、後半の
——— 先月、検査の前日、包装シート ———
を表現する。ここがないといけない文だった。
エッセイ 数値 課題【前・後】 2019.3.8
私は血圧や脈拍は平均値、割と健康だと思って暮らしている。
なのに、どういう訳か中性脂肪の数値が高い。
平均値は百五十ミリ以下だというのに、薬を飲んでいても三百位ある。
多い時には八百という事もあり、平均より異常に高い。
色々な情報は知っている。
一、 ご飯を多く食べると良くない。
これは思い当たる。美味しいご飯は大好きだが、今は少な目にしている。
二、 脂っこいものも良くない。
それ程好きではないから、沢山は食べない。
三、 毎日一万歩を目標に歩く。
朝の散歩を心がけ、階段を良く使う。
四、 アルコールを控える、これは心配ない。
五、 早食いはよくない。
五番目はただ今改善中。
夫が早いのでそれにつられる。
以前使っていた箸置きを置き、時々箸を休め、ゆっくり噛む。
毎日の習慣を見直しながら、薬にも頼っている。
家から近い病院で、毎月血液検査をする。
朝食を採らずに採血し、一旦自宅に戻り食事をする。
一時間程で結果が分かるから、もう一度病院に行く。
担当の五十代の医者は、何時も丁寧に話を聞いてくれる。
先生との問診は、検査結果の数値がはっきり分るので、話が早い。
最初の頃、薬の副作用から痒みのトラブルがあった。
何度か他の薬を試しながら今の薬に落ち着き、毎晩、一錠を飲んでいる。
先月、検査の前日、包装シートに飲み残しの一錠が残った。
しわしわのシートを片付けたくて、その一錠と合わせて二錠飲んだ。
結果、数値が下がった。
今月の検査の前日、迷ったが二錠飲んだ。
数値が、又下がった。
「最近、とてもいいですね」と笑顔の先生。
告白すべきか、迷った。
来月はどうしよう。