つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

               エッセイ 除夜の鐘

2021-01-13 19:48:01 | 楽しい仲間
                 エッセイ 除夜の鐘  2016年2月12日

            大晦日は、近くのお寺に除夜の鐘を撞きにいく。
            普段は暗い山門も、今夜は灯りが燈り厳かに見える。
            石畳の列に並んでいるうちに、足元からジンジンと寒気が襲う。
            着ぶくれた恰好は恥ずかしいが重装備をしてきて良かった。
            鐘楼の前は檀家の人たちが準備をしてその時を待っている。
            湯気が見える、甘酒を用意しているらしい。
            法被を着た若い檀家さんが、大きなお盆に載せた甘酒を運んできた。
            ここは男性たちで作っているからだろうか、いつもどろどろの濃い甘酒だ。
            読経の後、鐘が鳴り始めた。
            最初は僧侶、檀家、そして一般の人が撞く。
            行列を見ながら5人程が鐘楼に上がる。
            5本の綱をそれぞれが持ち合図に沿って大きく引き、打つ。
            鐘の余韻に願い事を唱える、今年も終わった。
            境内には長い行列ができていた。
            TVの紅白歌合戦を観た人たちが急に増えたからだ。

            街道をはさんだ神明宮は、初詣での人達で溢れていた、若者が多い。
            それ程大きな神社ではないが七五三のお詣りやお払いをする。  
            鳥居をくぐり、茅の輪を八の字に回る所から明るくなる。
            参道の屋台から いい匂いがする。
            今は商売人とは別に、ボーイスカートや素人の団体も多い。
            焼そばやたこ焼きを作る手さばきなどを見ながら、長い行列は進む。
            顔見知りの人もいる。夫は少年野球のコーチをしていたことがある。
            時々、「あっ 〇〇さんだ」と若者に声をかけられる。
            随分前、5~6人のグループが酔いつぶれた一人を担いで歩いてきた。
            行列の近くで崩れ、座り込んで介抱している。
            中に息子もいた。
            夫は、車で送っていくようにとお金を渡した。
            息子達もどこかで、誰かの世話になっている筈だ。
            境内の真ん中にある炉に薪がくばられ、大きな炎が上がる。
            お詣りを済ませた人は甘酒をご馳走になり新年を祝う。
            地元の人の年越しの場所だ。

            つつじのつぶやき・・・・2015年の大晦日の話です。
                           何の憂いもない日常が早く来ますように!


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