つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
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エッセイ お兄ちゃんだよ

2018-03-08 10:38:44 | エッセイ

エッセイ 「お兄ちゃんだよ」 課題 【心・体】 2009.12.11

何年か前、「佐賀県唐津市の小5男児ひき逃げ・連れ去り事件」と「秋田県藤里町の小1男児殺害事件」という、悲惨な事件が連続してあった。

あの時のお兄ちゃん達は、今、どんな気持ちで弟の事を思っているのだろうかと、時々思い出す事がある。
 唐津市の事件は、小学5年生の男の子が、夕方、叔父さんの家から自転車で帰る途中にひき逃げされ、その後、連れ去られ行方不明になった事件だ。  

壊れた自転車と、血の痕が残っていた為、消防団や地元の人たちが探していたが見つからない。
一旦引揚げ、明朝の捜索ということになった。

朝まで待てない家族は、再び探しに行き、夜中の一時過ぎ、高校生のお兄ちゃんが、真っ暗闇の林道で、頭に重症を負っていた、瀕死の弟を発見したと言う。

生まれた時から、ずーと見守ってきた弟が、突然居なくなる。
そして事件に巻き込まれたらしい、お兄ちゃんは、真っ暗な山に向かって、何度も何度も弟の名を呼び、祈ったと思う。

もう一つの事件は「秋田県藤里町の小1男児殺害事件」
小学校からの帰り道、近所のおばさんに家に呼び込まれて殺害され、近くを流れる川の土手に放置された、小学一年生の豪憲君の事件だ。

テレビのニュースには、元気な豪憲君の映像が繰り返し流されたが、それはつい最近まで保育園児だった幼い姿だ。
いつも遊んでいた友達のお母さんに殺されるなんて、考えもしないで家に入って事件にあう、その時、どんなにか怖かっただろうと思う。

事件後の告別式の時、小学4年生の豪憲君のお兄ちゃんが、最初に呼びかけた言葉が、「お兄ちゃんだよ」だったとか、何ともせつない言葉だ。

お兄ちゃん達が、突然に出遭ってしまったあの時の悲しみ、心に吹き荒れた嵐は、少しでも治まってきただろうか。

  つつじのつぶやき・・・・・・8年前の作品です。
                  春の雨がしとしと・・・寒い日です。
                  気持ちがおセンチになります。

 

コメント (2)
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