つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ朝鮮の母

2009-06-04 09:43:48 | エッセイ

エッセイ・朝鮮の母

許しがたい北朝鮮のテロ、「拉致」そして「大韓航空機の爆破事
件」
二つの事件に関係した「金賢姫元死刑囚」が、拉致された田
口八重子さんの長男「飯塚紘一郎さん」と、韓国で面会した。

その模様が、テレビニュースで何度も流れたが、見るたび、胸が
締め付けられるような息苦しさを味わった。

妹、母を返せと、運動している飯塚繁雄さんと紘一郎さんの前に、
ドアーの向こうから、少し緊張しているような、青白い顔色の金
賢姫元死刑囚が姿を現す。

沢山の人が見守る記者会見の場で、普段、普通の生活をしている
であろう三人が、ぎこちない仕草の中、精一杯、今の気持ちを伝
えようとしている。

金賢姫元死刑囚が「抱いてもいいですか?」と、小さな問いかけ
をする。紘一郎さんが恥ずかしそうに、すっと寄っていった。母
のぬくもりを追い続けてきた紘一郎さんは、どんな気持ちだった
だろうか。

「お母さんは、屹度、生きていますよ」
「母が北朝鮮で、どんな生活をしていたのか知りたい」
「私が、朝鮮の母になります」

金賢姫元死刑囚の、落ち着いた話ぶりから、事件の修羅場をくぐ
りぬけてきた、その後が偲ばれる。国家の為と吹き込まれ、大韓
航空機爆破事件を起こし、死刑の判決を受けながら特赦で生かさ
れ、罪を背負って生きている姿なのだろう。

あのニュースから、大分、時が過ぎたが、「抱いてもいいですか
?」と、金賢姫元死刑囚の遠慮勝ちの問いに、紘一郎さんも、は
にかんだ顔で身体を寄せていった場面は、今でも心を温かくする。

人は、とても大切な心を伝える時、言葉だけではなく、身体を寄
せあっていくのかもしれない。今、私がそのような場面を思い描
く時、息子達に、何か、とても良い事が起きた時だろう、その時
は、黙って抱かせてもらうつもりである。

※ 先生の講評
     
実況中継の部分が多すぎる。後半の「あのニュースか
     ら・・・」の記述にしたい。暖かい人柄がにじむ
 

コメント
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