年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

干し大根

2006年03月05日 | 趣味としての漬物
冬になると大根は辛味が消えて甘味が増します。江戸時代、束ねた干し大根が、いくつもいくつも舟から京橋川を通り河岸に下ろされました。江戸庶民の人気の高い大根の入荷が多かったので大根河岸と呼ばれたという。江戸の初めの頃は大根の品種は三河の大根であったが、江戸時代中期から練馬大根に次第に切り替わり、江戸末期には亀戸大根を意味していた明治時代は三浦大根が有名であった。江戸の人口が増加するに伴い生鮮野菜が不足していたので価格の安定していた大根は庶民の野菜でした。
 江戸では、沢庵漬を作る場合は、干しだいこんを購入して加工していました。生産地では、干すことによって保存性が高くなり運搬が容易になる上、出荷時期を遅らしたり、付加価値を高くして(沢庵漬けにする)売れるという利点もあったからです。
 また、乾燥することにとって、だいこん自体が持つうま味成分が凝縮され、米糠、食塩で漬け込むことにより発酵が進み「苦味」や「アク」が抜け、独特のうま味が加わり美味しく食べられるようになります。今でも、暮れになると築地市場に群馬の空っ風によって干された大根が入荷します。今時、東京のどんな人が家庭で漬けているのでしょうか。
 

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