年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

漬物の輸入と原産地表示

2006年03月26日 | 宅老のグチ
漬物原料は地域調達であったが,日本の農業の変化にと輸送技術の発達によって,次第に遠い地区と取引するようになって来た。タクワンを例に挙げれば,江戸時代から明治時代は練馬及びその周辺で作られていたが,鉄道や道路等の交通の発達に伴い次第に遠くなってきた。戦後、群馬県・青森県・北海道と移動し現在,干しタクワンはほとんど九州南部で生産されている。塩漬ダイコンは国産から中国産に変わりつつある。
 台湾より昭和37年頃から,また韓国から昭和42年頃からまとまった量の漬物原料が輸入されて来た。当初,台湾からの輸入には,多くの漬物業者が活躍していたが,台湾バナナの輸入と付随して輸入されるケースが主流を占めるようになると共に台湾系貿易商の扱いとなって来た。現在,中国から各種塩蔵漬物(茄子,胡瓜,生姜,梅干,わらび,レンコン等) タイから塩蔵生姜と塩蔵茄子,ベトナムから塩蔵胡瓜,台湾から梅干,ロシアからワラビ,アメリカからガーキン(ピクルス用胡瓜),アルゼンチンから梅干,スリランカ,ミャンマーから塩蔵胡瓜が輸入されている。
 この様な漬物原料輸入の質量の拡大に伴い,消費者や販売者の要求や国内産の原料を使用している業者から要望により,加工食品として食品業界の先頭を切って原料の原産地表示を開始した。
 
品目 義務付け日
梅干・らっきょう漬け 平成13年10月1日
農産物漬物(上記以外の漬物) 平成14年4月1日

コメント
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