築地の市場の閑散さは嵐の前の静けさとも言える。２月の暇な月に春節で助かるところも多いだろう。白菜の漬物がおいしい時期で本当の白菜漬が手に入る漬物屋があるところが少なくなった。量販店で販売されている白菜漬は発酵の管理が難しいため、調味料を加えて味を安定させている。保存性を高めるため、雑菌を殺す処理もおこなわれている。従って有用な菌も殺されている。また製造から消費者に渡るための時間が長いため本当のおいしい状態で出荷するのでなく、未完成で出荷され家庭に着いたところでおいしい状況になるように作られているが実際は難しいようだ。
2月も無事終わりそうだ。そろそろ「稗史ふくじん」に取り掛かりたい。
築地で仕事をしていると日々の業務に追われて周りの変化に気がつくのに遅れる。ここ十年の騒動で都の選挙の争点にもなった築地移転が静かに進む。木製の魚の箱や木箱のりんご箱が時たま現れる。巨大なマグロの箱も最近は強化された包装材で包まれたハッポ-スチロールが目に付く。リンゴの木箱も一時は発砲スチロ－ルから段ボ－ルになった。青果物の輸送もカゴ台車でリフトを利用してトラックに積み込む。
何処で仕分けをするかがこれからの市場での課題となりそう。ごみ排出と資源再生の観点からどうして市場から出た生ごみを有料で回収しないのだろうか。鮮度のよい均一の生ごみは再資源として利用できる。いま市場で再生.再利用しているハッポ-スチロールは昔はごみだった。
梅の作柄予想で紀州の人は暖冬で開花が早いとミツバチの活動状況が気になるようだ。紀伊民報の開花情報を見る。まだ主要産地の情報はチラホラ咲いているようで今月下旬からが見ごろとなりそう。小さな実が凍害、風害から免れて梅雨を過ぎて果実を実らせ梅干となる。
新しい豊洲市場の青果部は3階建てである。これは都内の最近建設された市場の中では低い。もともと畑のようなところで栽培された青果物が雨を防ぐだけで市場は成り立つ。ただ食の安心安全を保つための設備が必要になった。東京都の考えで閉鎖型の施設が当初は強調されていた。しかし青果の人達の考えが加わり高床のせり場とならなくなった。水産部は完全に温度管理するため高床の閉鎖施設となる。まるで冷蔵庫の中で働くようだ。
青果は施設の温度管理が２５度となり、夏場だけが閉鎖型となるようだ。実際運用してみないと何処に築地と違った不備があるのだろうか。最初の問題は開かれた築地市場と管理を前面にだす東京都の人達の葛藤が始まる。食のマ－ケットはドンドン変化していくので新しい市場参加者を増やさないと単なる仕分け施設となってしまう。日本の中心の市場として食文化の発信機能が必要で秋葉原のような変化を要求されている。時代を先取りした市場にならないと需要が消え、衰退するだろう。
青果部に隣接する千客万来施設が観光客の車の流れの件で頓挫したようだ。東京都は再提案するようだが遅れることは必死だろう。
春一番のなりそこないの日
一応気温的に暖かい日だったが休みの人が多く、それなりに忙しい。３月４月の価格改定の連絡が多い。あるメーカ－の改定理由として国産の大根を使用して作るという。中国産との原料価格差がへり、表示の問題から国産原料へ向かうようだ。そういえば国産という表示が漬物商品名に増えてきた。価格改定を乗り越えるには漬物のイメ－ジとあう国産がよいようだ。ただ今は国産で十分まかなえるのは大根しかない気がする。キュウリ等の原料は品種の問題もあり国産回帰は時間がかかる。
人手不足による影響がようやく価格改定ということで3月には大波がやってきそうだ。中国の人件費等の上昇が限界に来たようだ。これから人口の減ってゆく日本でどの様な食品が展開してゆくのだろうか。レンコン、生姜等マイナ－な食材だから値上げできないで消えるということもある。
価格改定の一番簡単な方法は製造中止とし、新たな商品を出荷することである。ただ漬物のような長期にわたる不景気で新製品を出す工夫の余地が少なくなったようだ。
築地に位置情報を登録しているので２月２０日の出来事で小林多喜二が築地警察署で虐殺された日だった。彼の著名な小説は食文化の観点から見ると、カニという生き物が変質しやすいので洋上ですぐ加工し、缶詰にしなければならないことから過酷な労働となったようだ。
密かに築地の霊安室と思っているところがある。小林多喜二が虐殺された築地警察署の隣にある京橋図書館郷土資料室である。地下の書庫は霊安室の気が漂っている。ここは土佐藩中屋敷跡で、付近には蘭学者が集った桂川家がある。このような場所がトロイの遺跡のように時代が異なった史跡が同一の場所にある頃を知る。京都と違って西欧文明が入っていることが特色となっている。
新市場の広報を担う広報誌の最新号がやってきた。表紙の写真は２７年１月の豊洲新市場の建設状況である。5号街区で青果部の施設で鉄骨の組み立てが始まっているようだ。他の街区はまだまだ写真では概観が想像できるところまでいっていないようだ。広大な施設とゆりかもめ市場前駅の乗降客が少ないため、建設状況のわかる写真が少ない。
築地の市場周辺の工事も年度末ということで工事期間が終わりそうだ。何処までで更新した工事期間になるのだろうか。汐留の電通前のトンネル工事が歩道上の街灯工事を行っている。この地域はそろそろ終わりそうだ。
休市で築地は静かなはずだが実際はどうなるのだろうか。強行日程の海外観光客が閑散とした築地を散策している。こんなところで後２２月で消える築地で補修工事が年度末ということで行われている。先日の工事で通路の標識が新しく塗りなおされた。
市場内の舗装がはがれ昔の姿を出てきたところもある。線路が出るとここは３０年ほど前には貨物鉄道駅があったことを思い出させる。市場内の郵便局にいくとレトロな風景が広がる。
雪の降る夜は昔のことを思い出させる。いい事も悪いことも。
数日前からパスワ－ド変更の案内が来ている。今記憶しているパスワ－ドが２０近くとなる。もちろん全部同じではないが使い回ししているものもある。個人情報が漏れることを前提したのでこのようなことになっている。個人番号が始まれば色々なところに登録が始まり、また情報漏洩が増える可能性がでる。
パスワードの入力ミスは３回まで。慣れるまで数日かかる。今日は弱い雨。まだまだ続く、金曜日の連続ミスの消去。
二日かけて消えたデ－タを再入力した。後は前デ－タと照合するのみ。春一番を思わせる強風が吹いている。明日から税務申告の時期となる。どうしてオンライン申告を優遇しないのだろうか。ＥＴＣが渋滞の脇をスイスイ通り抜ける快感と割安感でＥＴＣがここまで普及した。申告時期にもっとオンラインを優遇しても良いのではないのだろうか。
朝日新聞の前であれほど騒いでいた街宣車が来なくなった。既に話題の賞味期限が過ぎたのだろうか。築地もいよいよ春節混雑が始まるのだろうか。18日水曜日は休市である。
１３日午後からトラブルが多発した。前日のデータ消失寸前まで行ったがかろうじて消去すれ前できがついた。その後夕方ラベルプリンタ－が不調で３０分以上遅れた。
また夕方数日前のデ－タが消えたことを発見した。週末には再入力の仕事が待っている。とんでもない週末となりそうだ。トラブル多発の原因は過労であることと推測される。
今日ある仕事をメモする。時間内に処理するとは難しそうだがどこかに発見されていないミスがありそうだ。
今日のトラブルを１３日の金曜日と話したら、あんたは日本人、西洋の迷信と縁がない。仏滅でも友引でもなかった。
寒さが和らいで春の陽光も築地を照らす。補修をしなくなった建物の老化が目立つ。壊れつつある施設で折り合いをつけて仕事をする。あと２２ヶ月。目先の仕事をこなしていくしかない。築地市場内の白衣を扱う付属商が最近閉店した。後の店舗は包装資材を商う店が臨時拡張したようだ。
３月には水産部仲卸の店舗抽選がある。東京都による移転の諸手続きがこれから始まる。補助金の手続きを始めたが形式が煩雑で利用するのはためらいがある。ちょっと前は必要のなかった書類が増えたようだ。
豊洲へ行く人いかない人、築地に残る人、これから決断したことを公言する時期が来たようだ。行くしかない人は開き直るしかない。
倉庫の隅に中国産の漬物が滞貨している。どうやら中国春節休暇で工場と流通が止まるため在庫を増やしたようだ。為替の問題で価格の面では中国産の利点は少なくなってきた。ただ安い漬物を製造する工場が日本に戻って来るには農協改革の成果が現れるまで無理だろう。当面は中国から他の国へ移転が加速される。今はベトナムに関心があるようだが問題が多いようだ。
何処の国へ移転するかわからないが華僑のネットワ－クを利用するところが多い.
中国に仕事で行っていた弟のため、親族の顔合わせが春節時期となって10年以上となる。日本に戻ってきて数年になるが親族会議はこの時期となる。今年はかなり重い課題を話す会議で高齢化社会を反映する話題となった。とにかく今はみんなそれぞれの立場で生きている。
