年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

皇太子氏殿下の講演

2006年03月20日 | 趣味としての漬物
メキシコで開催された世界水フォーラムにて,3月18日皇太子殿下が「江戸と水運」をテーマとして講演した。江戸の環境が保たれたのは郊外より食料を舟運により運ぶ一方、江戸市中より下肥を肥料として、郊外に舟で運搬し循環型社会を作り、江戸の水質の汚濁を防いでいた。このような趣旨の基調演説を初めて講演したと新聞は報道している。
大根河岸から豊洲までをテーマとして、伝統野菜を追いかけると、同じ研究になってしまうのは驚きである。江戸時代は今と違って、舟運が安価に重い品物を運んでいた。重量野菜である大根は大量の肥料が必要となる。下肥の問題も練馬大根の歴史を調べると避けて通れない問題となる。
 昨年、韓国と中国との下肥による寄生虫キムチの問題はまだあとをひいて、国内の漬物需要はまだ元に戻っていない。一般の日本人は下肥の不潔なものとして思っているだろう。しかし、ほんの25から30年前は、日本でも畑に撒いていて、下肥を使用していない野菜は清浄野菜として販売されていた。つまり化学肥料のみ使用して栽培していることが良いと思われた時代だった。
 下肥については、どのように記述すれば良いか只今研究中。戦後,西武鉄道,東武鉄道、舟運による下肥を輸送していた。また、海洋投棄も東京都は最近までしていた。東京都葛飾区の「葛飾区郷土と天文の博物館」で、特別展『肥やしのチカラ』(平成17年年3月20日~5月8日)での展示で東京都による糞尿の海洋投棄は平成9年3月末で正式に終了したという。
 寄生虫を防ぐため,合成洗剤を使用して野菜を洗っていた。大量の合成洗剤の使用で、河川や琵琶湖等の水質が汚染された。江戸時代のほうが循環型社会として進んでいたと思われる。

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