年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

沢庵漬の黄色について

2006年03月13日 | タクワン
先日の夕刻、テレビ局の仕事をしている人から電話がありました。築地で仕事をしていると問い合わせや撮影等が多く、できるだけ他の人で済むときはよそに回します。その時の取材の用件は沢庵漬の着色のことでした。

沢庵の黄色について

大根を塩蔵しておくとその辛味成分が分解し、長く漬けておくと黄色になります。この自然変色は、大根の辛味成分4-メチルチオ-3プテニル芥子油が漬け込み中に分解し,そこに生成した硫黄が大根のタンニンと結びついて黄色色素をつくることによって起こる。従って辛味の多い部分が早く黄色になる。この黄変がうまくいけば着色なしで黄色い沢庵が出来る。しかし、自然に出来た黄変は小売店の蛍光灯の光線に弱く、すぐに色あせてしまう。光に当たる部分は白く、うらは黄色いタクワンとなる。冷蔵庫など低温で漬けると黄色が抑えられて白く仕上がります。また、沢庵の匂いを嫌がる人が増えていますが、これも大根の辛み成分が化学変化して起きるものです。熟成中に出来た独特のこの香り、近年は消費者のニーズに応え、除去が研究されています。

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