年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

やっと国会図書館デジタルを使いこなす

2024年06月28日 | 福神漬
国会図書館の利用者カ-ドを作って、コロナ期間中の利用実績もなく、再度使おうとしたら、期限切れで作り直しとなった。その時に一度でも入場ゲ-トを通過すれば良いとのこと。そこでネットでも良い事を知り、やっと検索でも良いから、自分のIDとパスワ-ドで時々国会図書館デジタルに入る。
 東京都の中央図書館の司書さんの検索手際を見ていて、これなら自分でも出来そうだなと思いやってみた。
 大槻文彦の高野長英行状逸話(復軒雑纂)という明治期の本をパソコン画面に出して、印刷して読む。大槻文彦は日本で最初の国語辞書(言海)という辞書を編纂した人でもある。この辞書の古書を購入して、明治期の言葉の解釈としている。それはナタマメという言葉がどんな意味だったかを知りたかった。そこから日本缶詰協会の機関誌(缶詰時報)時々パソコン画面に出して、福神漬を検索すると、大正の震災後に結構出て来る。それが先の戦争の時に検索すると何か出てこない。まだ理由は不明だが金属不足から缶詰入りの食品は軍需物資なので宣伝が必要で無くなったのだろうか。
復軒雑纂という大槻文彦の文集を検索すると、東洋文庫に1冊ある。そこで借り出しを計画し内容を読むと国語学系の本で、今読みたい部分はまだ企画の段階のようだ。復軒雑纂は明治32年の出版なので、高野長英の基本文献を作成した高野長雲(高野長英の曽孫血縁関係はない)という人の研究する前の出版と思われる。

長英の死後の情報はどこから来ているのだろうか。
妻ゆきの釈放後の様子はすぐに消える。子ども状況も女子一人が面倒を見ていた人に遊女として売られ、遊郭内にいた時地震の倒壊で亡くなったという伝聞が残る。いかにも真実性があるように見えるがどこか違和感がある。そこで後の出来事から推測すると、次のような解釈が成り立つように見える。
 嘉永3年に幕閣上層部(阿部正弘・筒井政憲・遠山影元等)数人が異国船打ち払い令の再開問題と株仲間の再興を画策していた。所が株仲間の再興の情報が洩れると利権と思う人たちのもめ事が出るので調整の秘密性が必要だった。この時期に高野長英の捕縛死事件が起きてしまった。
 藤岡屋日記という江戸市中の情報を記録している本から、当時でも内田弥太郎が釈放されたのが不可解と思う人があったようだ。長英の逃亡を記述している本はほとんど内田弥太郎の事を逃亡の支援者としている。宮城(宮野)信四郎は親族でもあり、流罪となった。そして明治元年の赦免となった。十数年の流人生活は内田の資金援助が新島に行っていたと思われる。新島を始めとして伊豆七島の代官は36代江川太郎左衛門(英龍、号・坦庵)の時代でした。砲術家の下曽根金三郎とも交流があったと思われます。尚歯会の仲間が高野長英・内田弥太郎・下曽根金三郎が嘉永3年秋に江戸にいました。この時期は夏になると、下曽根・その手付として内田弥太郎が浦賀奉行で仕事をしていました。浦賀奉行は二名で構成され、」一人は黒船来航時の戸田伊豆守氏栄でした。
 高野長英が死去後の嘉永3年11月.12月は戸田氏栄・下曽根金三郎は藤岡屋日記によると江戸にいました。幕府の留守居役だった筒井政憲の息子が下曽根金三郎です。つまり内田弥太郎を長英逃亡の支援者として断罪とすると、上司の下曽根金三郎も処分せざるを得なくなります。そこからもみ消し工作が始まったと思われます。
 筒井家の家は今の日本テレビ麹町の付近に家がありました。そのそばの二番町に火付盗賊改めの職に比較的長く勤めた御先手弓組旗本長井五右衛門の家がありました。嘉永4年からペリ―が来た嘉永6年の間に筒井の斡旋で長井家の一人娘と戸田伊豆守氏栄の三男の養子縁組がありました。この夫婦に明治元年に男子が生まれ、総太郎と命名されました。長井総太郎・別名鶯亭金升で福神漬の命名の経緯を語っている人です。さらにペリ―来航の後に戸田は閑職の留守居役になりその時4男の鉄丸が生まれました。これがのちの花香恭次郎(自由民権家)となるのです。この養子斡旋にも旗本長井家の意向が感じます。内田は長英逃亡の事件のもみ消しを長井家が担ったと恩義を感じていたようです。この養子も二つの狙いがあって、嘉永年間に長井家に入った夫婦に子供が出来ず、厄介扱いでいつでも花香家に言い含めていた記録もあります。花香家ではすでに養子がいるのになぜまた養子をむかえたたかの疑念があって若様扱いのようだったと言っていました。
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