年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

漬物業の歴史 明治以後

2006年03月25日 | 築地市場にて
明治時代になると漬物は量的に発展する。日清,日露,昭和の戦役に軍隊の兵食とタクワンや梅干しが大量に船積みされ,戦意向上のため重要視された。また,産業の発達と共に学生や労働者の寄宿舎,食堂等の需要があらわれた。そのため,農家の漬物製造が忙しくなり,都市近郊の農業の副業から漬物製造企業と発展していく。漬物はその商品としての性格から自家製造が発展してきたものなので、商品としての漬物は原料野菜の価格や人件費の占める割合が多く,付加価値が少ない。原料の野菜が安価に入手でき販路を確保できれば新規参入しやすい業種である。そのため、野菜の価格変動・産地移動、景気の変動等によって江戸時代始めから続いている漬物専門の業者は京都にしかない。特に関東においては関東大震災や第二次大戦の影響で明治以前の漬物業者は少なく、ほとんどが戦後に創業した業者である。
戦後の食糧難の時代を経て、家庭で漬けられていた漬物は次第に小売店で購入されるようになった。また、同時に漬物はバラ売りから小袋詰めになり、保存食品から野菜をより美味しく味わう加工食品になった。


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