年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

缶詰規格 漬物 (戦前)

2006年03月17日 | 趣味としての漬物
戦前・漬物は海外に輸出するときは、主に樽詰めか缶詰で輸出していた。行き先としては、日本人が移民していた国や朝鮮・中国・台湾・南洋諸島が多かった。行き先として布哇という地名が良く出てくる。

輸出漬物缶詰は京橋にあった川村与兵衛の漬物缶詰が知られている。ほまれブランド(川村与兵衛)の沢庵はアメリカに向けて輸出されていた。
戦前の漬物缶詰の規格
缶詰要覧より 横浜開港資料館所蔵
葉唐芥子味付け
しょう油の良否,質の多少を主として見る。大きく実のないこと,あっても小さめがよい。味は軽い辛目を持ったもの、なるべく葉が多いほうがよい。
福神漬
まず,香気の良否を見る。沢庵臭の残ったものは良くない。光沢はなるべく自然色でよいものが良い。味醂や飴を使用したものは光沢が出る。しょう油の良否、混合材料の種類、刻み方、歯切れの良否を見る。
味醂漬、奈良漬
原料、味醂,酒粕の質、色合い、歯切れ等も見る。始めから粕漬にしたものは半透明で、塩漬後脱塩しアルコールに漬けたものは鼻を刺激する。
芥子漬
加熱期間が長ければ、歯ごたえがなくなり、歯ごたえを良くすれば膨張しやすいので、長期の保存は困難である。この漬物の特徴は,噛み締めるときスッと鼻に締め付ける辛い匂いがよいので品質の良否を決定する用件である。ナスはちいさい物で丸いものが良い。

昭和の終わり頃、グアムに日本人観光客が多数旅行していたとき、定期的にベッタラ漬が航空便で行っていた。グアムに行ってまでなぜベッタラ漬食べるの?と質問したら辛く味付け,スライスして現地の人が食べているよ答えが返ってきた。川村与兵衛さんの缶詰漬物の中にベッタラ(浅漬大根)漬があった。パラオ諸島は戦前、日本が信託統治していたので漬物が行っていた。今でも人口が少なく、日本人の観光客もあまり行かないのに沢庵漬の注文が来る。
現在、日本で漬物の缶詰は福神漬位で、市販の店では手に入れにくい。ただ、自衛隊では戦闘食の中に沢庵漬と福神漬の缶詰があります。特にタクワンの人気があるようです。

布哇とはハワイのことである。
コメント
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