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1月10日(木) 神戸の言葉

 小生は兵庫県西宮市で生まれて神戸市で育った。今も神戸に住んでいる。生粋の関西人である。だから言葉は関西弁しかしゃべれない。
 一口に関西弁といっても何種類かある。関西以外の土地の人が関西弁を一番耳にする機会は、テレビや映画、または上方落語に接する時だろう。これら、マスコミで使われる関西弁は主に、大阪の船場あたりの商家で使われる言葉がベースとなっている。だから関西以外の人が関西弁といってイメージするのはこのあたりの言葉だ。
 関西三都。京都、大阪、神戸。それぞれ微妙に違う。例えば
「何をいう」をこれら、三つの土地の言葉でいうと次の通り
「何おいいやす」 京都
「何ゆうてんねん」大阪
「何ゆうとん」  神戸
 京都弁、大阪弁は耳にする機会が多いので、分かりやすいだろう。ドラマで、京都人役に「何ゆうてんねん」といわせたり、大阪人役に「何おいいやす」としゃべらすといった間違いはさすがにない。
問題は神戸弁。どうも神戸と大阪の言葉の違いがよく分からない人が多いようだ。神戸人役に「何ゆうてんねん」としゃべらせたりする。
神戸「とん」横浜「じゃん」九州「と」語尾にこれらの発音をつけるとそれぞれの土地の言葉となる。
「何いうじゃん」横浜
「何いうと」九州
 神戸は「とん」だけではない「とう」と伸ばすこともある。
「知っとう」
「やっとう」
「勉強しとう」
 神戸より西の言葉、姫路、赤穂、などの兵庫県南西部、西播磨の言葉は西播モノといって京、大阪とは違う。兵庫県でのこの西播地方は、大阪でいえば河内地方にあたる地域といえばいいだろうか。庶民的というか気さくというか、少々ガラが悪いというか。神戸弁はこの西播言葉と京、大阪の言葉が混合したものではないだろ
うか。

 「星群の会」ホームページの雫石鉄也担当の連載コラム「SFマガジン思い出帳」が更新されましたので、どうぞごらんになってください。
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