☆My Everyday Life in Canada☆

カナダに来て18年。2人の子供達の成長記録と梅ちゃんからの日常エピソード色々☆

不適切な言動を目の当たりにしたら

2024-06-13 | 教育観
自分が疲れている時、体調がすぐれない時に、子供がギャーギャー癇癪起こし続けていると、勘弁してくれ。。。と思うことありませんか。私はあります。

でも、見方を少し変えると、この癇癪も自己主張や不適切な言動も含め、その子が今使える表現方法を使い、こんなにも全身のエネルギーを使って、今目の前にある出来事に対して主張をするため、本当に今を一生懸命に生きているんだな。と思うとね、そんなギャーギャー言っている姿も愛おしくも思えてしまうんですよね。

だけど、その子自身や誰かに対しての不適切な言動は適切な方へ変わってほしい。

その際に私自身が心得ていて、実践を続け、効果を感じている事があります

「不適切な言動の背景に理解を示す事」その上で「適切な言動を提案すること」
です。

これは、就学前の子達だけでなく、幼稚園生、小学生にも同様に使えます。
ティーン達とはそれほど多く接する機会はないけれど、多分使えるんじゃないかな。

例えば。私がお預かりしているデイケアのお子さん達(2−3歳児達)の間で時々ある状況

みなさんはどう考えますか。

とあるランチ前の時間帯。

私が「もうすぐランチだから そろそろこれをしまおうね」とお片付けを促すように声をかけた時に、それを聞いて実行してくれたAが、私の声が届いていないBにも片付けさせようと試みた。

でもAの意向は言葉では伝わらず、Bに片付けをするんだと伝えたくて無理やりBが手に持っていた物を取ろうとする。そこでBはAに抵抗し、AはBを叩いてしまった。

この状況、みなさんならどうしますか。

AがBを叩いた瞬間だけを見て判断したら Aに対し「叩いた事」に対してだけ叱る大人達が、実は多いかもしれません。こういった対応は教育現場でも目にした事があります。もちろん、叱られた生徒は負に落ちない様子や、自分は悪くないと激しく抵抗を示す姿も見たことがあります。

特に叱られる回数が多い子達は、状況を理解される前に「またか。。」という大人側の先入観でジャッジされてしまうケースも珍しくない。

でも、このケースで例えるなら「AがBを叩いた背景」には、Bが片付けの時間にそれを実行していない。それをどうにかしようとしたという考えがありました。

Bが片付けに素直に応じていたら、Aは叩かなかったかもしれません。
でも、Bも悪気はなく、おそらく遊びに集中していて、私やAの声が届いてなかったということも十分に考えられます。決して指示を無視してたというわけではないのです。

こういった状況は、よくあると思います。では、どうすると子供達は学べるのか。

この時、「叩く」という行為は、不適切な選択であり、叩かれた方は痛いし不快に感じる。状況によっては怪我にもつながるので、「誰かを叩くことは不適切である」事は子供に伝える必要がある。

でも、叩いた背景には「片付けの時間だよ」と伝えたかった気持ちがある。ところが相手の子はまだ遊びたい事しか考えていなかった上に、おそらく「片付けの時間」であることすら認識していない。

AはBが手に持っていた物を引っ張るようにして片付けをする必要があることを伝えようとしていた。Aの思考はその目の前の事でいっぱい。でも、BはBの目の前の事でいっぱいで「遊んでいたのに、Aが急に自分が使っていた物を取ろうとした」と解釈して怒っている。だから、Bは抵抗を示す。それに対してAはどうにもできずBを叩いてしまった

この状況でBを叩いてしまったAのその行為だけに注目してAを注意したら、Aは納得するでしょうか。おそらく、Aは自分は私に言われた「片付ける」ということをBに伝えたかった

なのでもしここで私がAに対し「叩いじゃだめでしょ!なんで叩いたの?謝りなさい」と言ったとしたら、Aはおそらく納得いかず、悶々として素直に応じないと私は考えます

みなさんがもしAの立場だったら、どう接してほしいでしょうか

私の対応が必ずしも正解というわけではありませんが、私はこう言った状況の時に言葉で説明できる年齢だったらAに背景を尋ねます。 「どうして今叩いたのかな。何か困ったことや、嫌だなと思った事があったかな」と。

言葉でまだうまく伝えられない年齢や、状況を見ていた際は「Bにお片付けするんだよって伝えたかったのかな。でもBが片付けようとしないから、持っていたものを片付けようと取っちゃったのかな。それでギャー〜!!と言われちゃったから叩いちゃったかな?」などと、伝えています。

この時に、子供からの返答に即答を求めません。
なぜなら、子供達が情報を受け止め、考え、アウトプットするには、大人以上に時間がかかるからです

私の予想に納得がいってる場合は、子供なりにそうだという反応を示してくれます。

その上で、「その気持ちや考えはわかったけれども、叩くのは良くないこと。そういう時は お片付けだよと言ってみたらよかったと思うよ。 もし伝わらない。困ったと思ったら、私に助けてほしいと言いに来て良いんだよ」と伝えると、Aは納得し、叩いたことに対してBに謝罪をすることができました。それと同時に私はBにも なぜAが叩いてしまったのか、そしてお片付けをする時間なので、今手に持っているそれを、ここにしまってほしい事などを伝えます。

Bも納得をすれば、片付けにも応じてくれます。

なかなか時間のかかるやり取りではあるけれど、大人側が瞬時にジャッジしてしまって、その瞬間だけを見て子供達の言動にあれこれいうよりも、子供達も少しずつ「適切な言動を学ぶ」機会を得る事ができ、まだまだ幼稚園生くらいまでは、自分中心の視点だけれども、長い目でみると 自分で考えて判断できる力を育てる事にもつながるので、私は可能な限り状況を把握し、理解を示す事、その上で適切な言動や相手に伝える方法へ導く。事を意識しています



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