ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

パピヨンルージュと嵐の星 茅田砂胡著 中央公論新社

2015-12-26 14:35:27 | ファンタジー
海賊と女王シリーズの新開幕です。

ファンタジーになりきったようです。

宇宙空間での戦闘で、発射したレーザー光(?)が見えるというのは、スターウォーズが世界に広めたインチキですが、
もはや一般常識だから?仕方ないとしましょう。
(マイナーにはスタートレックあたりもやってたような)

宇宙空間で地上というか地峡帯のレース用航空機体の開発とテストをするというんですが、
少なくとも直線で10キロメートルのコースを持つというのは、ファンタジーでしかないでしょう。

高さと幅がどのくらいになるかは知らないけど、地上と同一の均一の重力と、
同一の気圧が維持されているとなると、どちらも難しそうな技術です。

引力の強さは距離の2乗に反比例するという法則があるため、質量を重力元とする現在の案では、無理ということになります。
(惑星の引力ですら、みかけは無重力ですから)
もちろん、重力元の質量を平べったく伸ばすなんて引力が不均一になり無理難題です。
質量以外で重力というか引力を生み出すというのは、現在の物理学では無理。
異次元でも持ってきて無理やり考案しないといけないのですが、
平坦に一様にというのは、異次元に今の次元と一緒に動く仕掛けを作るということになり、無理筋でしょう。

同一の気圧というのは、空気を詰めたパイプを真空中で維持する話になるのですが、直径がいくらになるかということが重要。
まあ、宇宙空間だからわずかのゴミ(デブリ)が当たっても穴が開いてしまうのというのはまずいだろうからスチールなどの壁でおおうことになるだろう。
宇宙空間を見ても星と惑星と恒星が見えるだけだから、景色は大したことないはずだからガラスで覆う必要なし(放射線怖いし)。
おっと、パイプ中に大量の土砂や岩石で地峡と地面を作らないといけないのだった・・・これをパイプ下側が支える?おいおい・・・

機体や燃料や酸素(機体がバンバン使いまくる)だけでなく、技術者+フライヤー+サポーター(調理人、ホテル要員など)、食料、
さらに排泄物を常時運び続けるのって、やはり小説だけの世界かも。
せめて軌道エレベーターを導入してといっても、遅すぎだ。

この小説にしても、舞台が地上でも何も問題は無かったはず。
単に宇宙空間のほうが新しいってだけで、ウソっぽい環境だけが目立っちゃいました。

(おまけ:宇宙の基地に到着する場面。なんか変です。宇宙船から降りる前から重力があるような・・・ということは基地に近づくと船外は無重力から変化したはず。
まあ、宇宙船内にも独自の重力があることになっているんだけど、どう影響しあうかなんて考えてないな)

別の、より重力の大きい惑星の低軌道上に置いて、ロケットを使って軌道を維持し続ける形で見かけの重力を作り出すことは可能かもだけど、これも小説ならって話。
コメント
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