Photo by Chishima, J.
(ニホンアマガエル 2007年7月 北海道芦別市)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年7月21日放送)
実際に姿を見たことは無くても、名前は耳にしたことのある人が多いのではないでしょうか。体長2~4cm強の小型のカエルで、普通は白いお腹を除く全身が黄緑色です。アマガエルの名は、雨が降っている最中、あるいは雨が降る前に、気圧の変化を察知してよく鳴くことから来ています。
北海道から屋久島までの日本のほぼ全土に生息し、国外ではロシア沿海地方や中国北部にも分布します。道央・道南や本州では水田に多く見られますが、現在は水田のほとんど無い十勝では池や沼などの湿地にくわえ、森林や草原など水辺から離れた環境でも特徴的な「ゲッ、ゲッ、ゲッ…」の声を聞くことができます。ただ、目と鼻の先で鳴いているのに、体が小さく、保護色をしているせいか、いくら目を凝らしても姿が見付からないことも少なくありません。
体の色の変異が大きく、本来の黄緑色以外に青、灰色、黄色などがこれまでに知られています。これらは周りの環境に合わせて、体の色を保護色にしていると思われがちですが、実際には皮膚の下にある色素細胞が突然変異したり、遺伝的に欠落したりするものです。例えば、全身が黄色で眼の赤いカエルは、黒色色素の欠如したアルビノです。
皮膚の粘膜から刺激のある毒を分泌するため、触った手で目をこすったり、傷口に触れたりせず、触った後は手洗いをするよう心がけましょう。
北海道在来のカエルはニホンアマガエルと、春に紹介したエゾアカガエルの2種ですが、道央や道南では本州などから人為的に持ち込まれたアズマヒキガエル、ツチガエル、トノサマガエルなどが外来種として定着している地域もあります。
(2015年7月14日 千嶋 淳)
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