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古い曲が気になる

なぜか今夜もミッシェル・ルグラン

2014-09-17 | 日記・エッセイ・コラム

 

 なぜか今夜もミッシェル・ルグランを聴いている。

  ミッシェル・ルグラン&ナタリー・デセイ Les moulins de mon cœur(邦題 風のささやき) http://www.youtube.com/watch?v=_jQEnXFskqQ

Entre elle et lui

  ミッシェル・ルグラン&ナタリー・デセイ Les Parapluies de Cherbourgシェルブールの雨傘)   http://www.youtube.com/watch?v=piCAwY9aWHU

 

  映画『シェルブールの雨傘』のLove theme http://www.youtube.com/watch?v=Zs1NmsA-n-Y

 映画『シェルブールの雨傘』(1964年)は、フランスの若き作曲家、ミッシェル・ルグランの名を世界に知らしめた、ミュージカル映画の傑作だ。セリフのすべてが歌われるという、ヨーロッパ伝統のオペラのようなミュージカル映画だが、オープニングのタイトルの雨傘の映像と音楽に、北海道・帯広の映画館で観ていた中学生のわたしは、ココロのヒューズが吹き飛んだ。”この絵、この音楽……なんてセンスがいいんだろ………!”

 

 それに、この映画のカトリーヌ・ドヌーヴの可憐さ、美しさは、まぁ、言葉に出して表現したくないわな。凄すぎる。(もちろん、歌は吹き替えだろう。あんな美女が、あんなに歌えたら、あまりに、あまりにもこの世は、不公平だろ。

 主役のカトリーヌ・ドヌーヴの母親の歌の吹き替えは、クリスチャン・ルグランがやっていたのじゃないかな。ミッシェル・ルグランのお姉さんで、スウィングル・シンガーズのリードを歌うソプラノだった)

  スウィングル・シンガーズ http://www.youtube.com/watch?v=idNDpE7swJk&list=PL2ACE88CE29292ECA

(スウィングル・シンガーズは、クラシック作品からジャズまでアカペラで歌うコーラスグループ。1962年にフランスで結成して、60年代一世を風靡して、現在も活躍している。もちろん、メンバーは世代が代わっているわけだが、そのクラシックでもジャズでもない、洗練されたコーラスの美しさは、凄いわ)

 

 

 帯広三条高校生のころ、ジャズ喫茶のエースに通うようになって、ミッシェル・ルグランが映画音楽の優れた作曲家だけでなく、優れたジャズ・ピアニストで、何枚ものジャズ・アルバムを出しているのを知った。

 その後、わたしはレコード屋になり、ミッシェル・ルグランのアルバムをじぶんが売ることになった。北海道・帯広では、なかなか、苦戦だった。

 

 

 若い人のために、映画『シェルブールの雨傘』の背景を補足すると、なんであんなに恋する若い女と男が泣きの涙で別れるかというと、フランスはまだベトナムに派兵していた。ベトナム戦争はアメリカの前に、フランス軍がホーチミンの共産軍と血みどろの戦争をやっていたのだ。アルジェリアの独立運動もすさまじく、フランスは、アジアやアフリカの最後の植民地を死守するのに必死だった。だから、若者を徴兵して兵役につけた。もう勝算のない戦いにフランスの若者はいかざるを得なかったわけよ。

 男は戦場に行き、やがて、便りがなくなる。女は身ごもり、雨傘屋の母親から、戦死しただろう男のことは諦め、金持ちとの結婚をすすめられる。”傘屋の経営もたいへんでね、じつは、おまえを気にいってる、あの人から援助してもらっているんだよ”とか………。

 男は、戦場からもどって、傘屋の娘をさがすが、金持ちと結婚してシェルブールの街を去り、パリに行ったと知る。2年待ってくれるはずじゃなかったのか………そして数年。その失意から立ち直った男は、美しい妻と子供がいて、ガソリンスタンドを経営している。そして………雪のクリスマス、かっての恋人、シェルブールの雨傘屋の美しい娘と再会する。

 反戦の映画は、こんなふうにつくってほしいもんだ。シンプルなストーリーと、優れて美しい音楽と美男美女。まぁ、ミッシェル・ルグランの音楽がすごいわ。

   『シェルブールの雨傘』エンディングhttp://www.youtube.com/watch?v=JFSsUasp9dw

シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]


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