トニー・ジョー・ホワイトの曲『ポーク・サラダ・アニー』のポーク・サラダは、アメリカ南部ルイジアナ州の、野草をつかった郷土料理。
この写真はほんの一例。さまざまなレピシがある家庭料理のようだ。
その食材 poke weed は、この地方の野草だ。(わたしの故郷・十勝でいうとアイヌネギの料理とか、伊豆の島ならアシタバ料理のようなものかな)
下の写真が poke salad のpoke 、若芽から実、そして、たけたやつ。
ハンク・ウィリアムスの曲『ジャンバラヤ』で歌われた、ジャンバラヤもこの地域、ミシシッピー川下流域の郷土料理だ。つまり、ポーク・サラダとおなじように、ケイジャンやクリーオールの伝統料理。
このジャンバラヤにもさまざまなヴァージョンがある家庭料理のようだ。基本は、玉ねぎ、セロリ、ピーマンの3種の野菜と米だ。
玉ねぎ、セロリ、ピーマンが絶対基本のシチューに、魚介が入ったり、肉類だったり、さまざまだが、これを米といっしょに炊いてしまう、煮込みパエリア状のものと、シチューを米の飯にかけるカレーライス状のもととあるようだ。どちらもジャンバラヤというらしい。
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ルイジアナ州ニューオリンズのピアニスト、ドクター・ジョンの名盤に、『Dr.John's Gumbo 』(1972年)がある。このアルバム・タイトルのガンボ Gumbo もまた、このミシシッピー川下流地方のケイジャン料理の名前だ。
ガンボとは、オクラのこと。オクラでトロ味をつけたシチューで、これも炊いた米といっしょに食べる。米は、日本米(ジャポニカ)ではなく、タイ米とおなじインディカ米をつかう。(フランス人の移民は、この地域で綿と米を栽培した。)
このガンボも、18世紀からの、歴史ある伝統家庭料理だから、じつにさまざまなヴァージョンがあるようだ。
※ ケイジャンは、フランスからの移民の人たち。クリーオールは、そのフランス移民と、スペイン人、黒人、インディアンなどが混血した人たち。というのがわたしの基本的な認識だが、ことはそう単純でなく、もっと複雑なので、このことはいずれまた書くとして……。
ケイジャンとクリーオールの音楽は、現代のアメリカの音楽(カントリー、ロック、R&B、ポップスなど)にも大きな影響を与えている。ルイジアナ州の綿栽培農家に生まれた、トニー・ジョー・ホワイトは、ブルースとケイジャン音楽を聴いていた、という。トニー・ジョー・ホワイトの音楽をスワンプ・ロックというが、スワンプとは沼、湿地のこと。ミシシッピー下流域の沼地をスワンプという。
サヴォーイ・ファミリー・バンド http://www.youtube.com/watch?v=wlv8PUyc1HQ
ビッグ・バイヨー・バンディッツ http://www.youtube.com/watch?v=HLICq9RkWQw&feature=related
マグノリア・シスターズ http://www.youtube.com/watch?v=DRxJow0jOrI&feature=related
ウェイン・トゥープス http://www.youtube.com/watch?v=IOgdgsfHBnk
ドクター・ジョンのアルバム『ドクター・ジョンのガンボ』の1曲目は、『アイコ、アイコ Iko Iko 』、最初のヒットは、1965年(昭和40年)、ニューオリンズの黒人女性3人のグループ、デキシー・カップスのヴァージョンだった。
デキシー・カップス Iko Iko http://www.youtube.com/watch?v=l6rDdWPYdgg
ドクター・ジョン Iko Iko http://www.youtube.com/watch?v=JESFMO1Hl4M&feature=related
『ミッション・インポッシブル2』 Iko Iko http://www.youtube.com/watch?v=DW7iufLi6bA&feature=related
フランス皇帝ナポレオンが、目先の戦費欲しさに広大な面積のフランス領ルイジアナを、わずかな金額でアメリカに売ったのは、1803年のことだ。
濃い青の部分がフランス領ルイジアナ。この広大な土地をナポレオンはアメリカに売り渡し、フランス人開拓民は、南部のミシシッピー川下流に追われた。中央の緑のラインがミシシッピー川。河口部のメキシコ湾のところにあるのが、いまのルイジアナ州。
また遊びに来ます!!