Underground |
クリント・イーストウッドが、50年代に夢中になっていたというデイブ・ブルーベック・グループは、大ヒット曲「テイク・ファイブ」を発表して、ウエストコーストの地方バンドから一躍世界のトップバンドになった。
アルトサックスのポール・デスモンドが作曲した「テイク・ファイブ」は、日本でも大ヒットした。わたしが中学生のときだった。最近では、フィギュア・スケートの小塚崇彦が、ショート・プログラムの音楽に「テイク・ファイブ」をつかっている。
デイブ・ブルーベック・クワルテット Take Five http://www.youtube.com/watch?v=BwNrmYRiX_o
「テイク・ファイブ」は、100万枚を超える売り上げを記録したはじめてのジャズのシングル盤だった。「テイク・ファイブ」がはいった1959年発売のLP「タイム・アウト Time Out」は、ビルボート誌ポップ・チャートの№2まで上昇した。当時のジャズのアルバムでは、驚異的なことだった。プロデューサーは、テオ・マセロ。コロンビア・レコードでのマイルス・デイビスのかずかずの名作を制作している。
サイモンとガーファンクルの「卒業」もまた、テオ・マセロのプロデュースだ。わたしが好きなコロンビア(CBSソニー)時代のセロニアス・モンクのアルバム「アンダー・グラウンド」と「ソロ・モンク」も、テオ・マセロの仕事だった。3000を超えるアルバム制作をてがけた、アメリカ音楽史に残る偉大なプロデューサーだ。http://video.google.com/videoplay?docid=6072745037788321470
Bitches Brew |
近頃、日本ではコーラス・グループがいろいろでるようだが、コーラスがうまい、歌がうまい、とは、こういう人たちのことをいう。1983年グラミー賞授賞式での一コマ。http://www.youtube.com/watch?v=fNNzarG15tU&NR=1 マンハッタン・トランスファーとエラ・フィッツジェラルドだ。こういう、むかしのすごい人たちを聴いて、勉強してほしいものだ。
セロニアス・モンクのアルバムで、テオ・マセロ・プロデュースの、コロンビア(CBSソニー)での「アンダーグラウンド」と「ソロ・モンク」が好きだ、と書いた。それよりずっとまえ、1944年、セロニアス・モンクは、名曲「ラウンド・ミッドナイト Round Midnight」を発表している。不協和音をじつに効果的に多用するアバンギャルドで、かつ、めちゃくちゃ美しい曲だ。http://www.youtube.com/watch?v=OMmeNsmQaFw 不協和音と美しいメロディーという矛盾することを、みごに調和させている。なんど聴いても、刺激的で、美しい。
こういう音楽を、1944年につくる黒人ジャズマンの感性に、十代のわたしは驚ろいた。その後、アメリカにも、日本にも、モンクの追従者の前衛が現れるが、だれも結局、あんまりおもしろくない。モンクのアバンギャルドは、セッション・ピアニストとしての長いキャリアがあってこそ成立する。
マイルス・デイビスは、好んでモンクのこの曲を演奏して、タイトルにしたアルバム「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」がある。http://www.youtube.com/watch?v=vwtN7WuOEoA
'Round About Midnight |
クリント・イーストウッド監督は、1988年、セロニアス・モンクのドキュメンタリー映画を撮影している。「ストレート・ノー・チェイサー Straight, No Chaser 」、モンクの名曲がタイトルだった。
セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー [DVD] |
フランスの映画監督、ベルトラン・タヴェルニエ Bertrand Tavernier は、このセロニアス・モンクの名曲をタイトルにした映画を撮っている。「ラウンド・ミッドナイト Round Midnight」(1986年)、舞台はパリ、主演は、テナー・サックス奏者、デクスター・ゴードンだ。ジャズ・ミュージシャンをテーマにした映画では、傑作だとわたしは思う。
ラウンド・ミッドナイト [DVD] |
映画「ラウンド・ミッドナイト」から、デクスター・ゴードン As time Goes By http://www.youtube.com/watch?v=uF_FJVTLXgw
マイルス・デイビス.com http://www.milesdavis.com/
デクスター・ゴードン.com http://www.dextergordon.com/home.php