映画「トゥルー・グリット True Grit 」のサントラで効果的につかわれた Leaning on the Everlasting Arms は、ゴスペル・ソング(讃美歌)だ。讃美歌の作曲家アンソニー・ジョンソン・ショウォルターがつくり、1887年に出版された。音楽出版社を経営していたアンソニー・J・ショウォルターは、教師でもあった。教え子の奥さんの訃報を聞いて、お悔やみの手紙を書いていた。そのとき、この曲を着想したという。
“Leaning on the Everlasting Arms (不滅の腕に身をゆだねて)”の、死したあと、永遠に抱いてくれる、この不滅の腕とは、もちろんジーザス(イエス・キリスト)の腕のことだろう。
アイリス・デメント Leaning on the Everlasting Arms http://www.youtube.com/watch?v=ZGbxrNqK4-4
アメリカの音楽、カントリー・ミュージックやソウル・ミュージックを聴くとき、アメリカ合衆国がキリスト教徒の国だということを忘れてはダメだ。いまも、大統領就任式でも、裁判の証言でも、バイブル(聖書)に手をおいて、誓いをたてるという国だ。ポピュラー・ソングの多くが、ゴスペル・ソングだったり、宗教的な背景がある曲だったりする。
(イスラム教徒や仏教徒は少数派だ。圧倒的多数のクリスチャンとユダヤ教徒がメジャーなのだ。ユダヤ教徒は少数派だが、音楽業界と映画業界を仕切っているのは、圧倒的にユダヤ人のビジネスマン、プロデューサーなのだ。
イギリスでも、ビートルズをデビューさせた敏腕マネージャーのブライアン・エプスタインは、ユダヤ人。
ボブ・ディランもポール・サイモンも、ユダヤ人。「ウエスト・サイド物語」を作曲した、アメリカ・クラシック音楽界のスターだった、作曲家・指揮者のレナード・バーンスタインもユダヤ人。ジャズの名門レーベル、ブルー・ノート・レコードや、ブルースとR&Bのチェス・レコードを創設したのも、ヨーロッパから来たユダヤ人。アメリカの老舗映画会社は、どれもユダヤ人がつくったのだ。キリスト教とユダヤ教は、親子関係のように近い。ユダヤ教が親だ)
ポップ・ミュージックの歌詞のなかの father とか、he が、単に「お父さん」や「彼、彼氏」ではなく、ジーザス(イエス・キリスト)を表していることがたびたびある。he touch me と歌われるのは「彼氏がタッチする」のでなく、「ジーザス(イエス様)が、私に触れる(つまり、神の実在を知るとか、神の慈悲を感じるとか、神の啓示をうけるとか)」の意味だったりする。
グラスカルズ Leaning on the Everlasting Arms http://www.youtube.com/watch?NR=1&feature=endscreen&v=Po0sNw3chkk
チェット・アトキンス Leaning on the Everlasting Arms http://www.youtube.com/watch?v=fJL0lPYadZM
アンディー・グリーフィス Leaning on the Everlasting Arms http://www.youtube.com/watch?v=1LNJeSuvzv8&feature=related