局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

美人を堪能する

2023-09-28 16:36:11 | 見る(映画 劇場 美術館など)
前記事からの続きです。

原宿 太田記念美術館で
美人画~麗しきキモノという美術展

当世風俗を切り取る浮世絵において、「美人画」は重要なジャンルです。また画中の人々がまとうキモノは当時の美意識を伝えるだけでなく、作品の印象も決定づける大きな要素でもありました。浮世絵師たちは時流にかなった魅力的なキモノを描くことで、美人画の優品を生み出していったのです。
本店では江戸前期から昭和初期にかけての作品を前後期あわせて約130ご紹介いたします。美人画の歴史が通観できることはもちろん、時代とともに変化する流行や着こなし、そして吉祥模様や古来愛された意匠についてもご覧いただきます。それぞれに歴史や物語を持つ模様をまとう女性たちの姿からは日本文化の豊かさにも触れていただけることでしょう。


というコンセプトの展示。

館内は撮影禁止だったのでパンフレットを撮影。


鈴木晴信 林家お筆


菱川師房 美人遊歩図


宇田川豊春 桜下花魁道中図


喜多川歌麿 婦女人相十品 文読む女


鳥居清長 当世遊里美人合 叉江


橋口五葉 紅筆持てる女


渓斎英泉 逢妓八契 富ケ岡の時雨


歌川国貞 江戸名所百人美女 薬げんぼり


揚洲周延 真美人 十四 女学生

眼福でした。
当時のファッションリーダーのような存在だったのが花魁なのか? 豪奢で贅を尽くした着物や帯やかんざし。
武士の奥様やお嬢様たちのそれぞれの立場の着こなしや髪型など。
文様に表れるその頃のいわゆる「推し」の歌舞伎役者の影響など。

見ていると興味は尽きなかったですね。
館内はウイークデイの昼間だったのでそう混雑はなかったが3割くらいは欧米人。中にはオペラグラスを持って一つ一つをえらい丁寧に見ている人もいた。

しかし、着物って不思議なのは、 柄+柄 柄×柄 が多々あるんですね。
例えば 振袖は白地に藍の縞模様の中に松皮菱 帯は雲形 中着は緋色に菊模様 半襟には紗綾形 と 色と模様の勢ぞろいでもそれがカオスにならずにまとまって美しさを醸し出していること。

ワタシ達が普段服を着る場合は例えばブラウスが柄だったらスカートは無地とか 全体無地でバッグだけ差し色とかで特に東京はシック目にまとめるじゃないですか?
この柄×柄ってテクニックはある意味すごいな~ などと感動したりした。

そういえばコロナ禍もあって着物を着なくなって数年、たまには箪笥で待機している自分や母からもらった着物にもたまには日の目を見せてあげようかな~ などと思ってしまった。この暑さが落ち着いたら着てどこかに出かけてみよう。

そして美人図。
なよ~~っとして儚げで憂い顔ってのが江戸から続く美人の条件なんですかね。
現代の女優さんでいうと そう 「木村多江」だね。

ワタシの周りのオジたちが、彼女を見て「イイオンナだな~」って言う確率が高いのは、この時代から連綿と受け継がれていた「美人感」がDNAに刷り込まれているからではなかろうか? と秘かに納得いたしました。
ワタシも彼女は好きですけどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする