土曜日のこと、友人とランチをすることになっていた。
久しぶり、実に四半世紀ぶりに会う友人であった。
結婚した当時 オットは関西のある県に赴任していて私はその馴染のない所で新婚生活の一年を過ごしたのだけど、その時の友達である。
オット以外は知ってる人もいないし土地鑑もないし、そんな所に行くのもそんなに不安と思わなかったのは若さ故かもしれない(今は知らない土地で暮らそうなんて思わないもの)
そこで仲良くしてくれたのがこの友人であった。
元々オットが当時の同僚と贔屓にしていたレストランの常連さんでその中でマドンナ的な存在の女性だったらしい。
独身時代のオットがまず仲良くなり、今度結婚するから奥さんが来たら遊んでやってねとワタシを引き合わせてくれたのである。
ちょっと特殊な仕事をしていた彼女、外見は華やかで人目をひく子だったけどコテコテの関西弁でボケツッコミが面白く 気さくにその土地を案内してくれた。
ほどなくほぼ同時に妊娠がわかったので一緒に妊婦生活も送って色々初めての出産に備えた。
そしてドラが生まれ、彼女の長男が生まれて ほどなく家が東京に戻ることになり、なかなか会えなくなってしまった。
その後詳細は忘れたが東京の家に長男を連れて彼女が二度ほど遊びにきてくれたが、彼女のご主人は転勤族だったのでその後は国内の主要都市だけど何か所か引っ越し、その間に今度もやはり同じくらいの時期に彼女も私も女の子が授かった。しかし子育てなどの忙しさの中でなかなか会えずに年を重ねて年賀状だけのおつきあいになっていた。
そして何年か前にご主人が東京勤務になり、隣の区に引っ越してきたことは知っていたけど、なんとなくきっかけもなく毎年「今年こそは会いましょう」という年賀状の常套句だけは交わすものの実現はしなかったのである。案外私は人付き合いは自分からアクションを起こさない受け身型なんである。
しかし最近LINEでつながったのね。お互い携帯番号を登録していたから。
年賀状だと一年に一往復だけど さすがにLINEはやりとりが早い(当たり前だ)相変わらず関西弁で送ってくるメッセージとハゲおじさんのスタンプがおかしくて、彼女がパートしている所がワタシの馴染のある所でもあったので「今度そこに寄るね」なんて言っていたのだけど、彼女から
「どうせなら今度の土曜日会わへん 渋谷においしい小龍包の店あるねん」とお誘いがあった。
思い立ったが吉日とお会いすることにした。
オットも「へ~、Y子ちゃんか 懐かしいな。俺からもよろしくって言っといて」と懐かしがっていた。
モヤイ像というベタな待ち合わせ場所に現れた彼女は四半世紀という時を感じさないほど変わっていなかった。
顔が小さく足が長くスリムな体型は昔のまんま。ダメージジーンズにふわりとしたシフォンのブラウスの組み合わせもおしゃれだった。向こうも「局ちゃん 全然変わってないやんか すぐわかったねん」と駆けよってきて、手を取り合って喜びあう変なオバの図を展開してしまった。
小龍包を食べながら昔話に花を咲かせ 腰を据えて話そうと喫茶店に入った。
そこでお互いの家族のことが話になった時に、ふと私は彼女の長女さんの事を思い出した。ずいぶん前に年賀状に写真が載っていて、芸能界にデビューすると書いてあったのである。その後は何もふれていなかったので意識もしていなかったのだが、
「そう言えばお嬢さんてムスメの一つ下だったよね?芸能界デビューしたんだっけ?」と聞いたら
「うん 今もやってんねん」とのこと
「そうなんだ~ なにしてらっしゃるの?」と聞くと
「うん ホニャララって知ってる?」
「えっ ホニャララ!?」
「うん ホニャララ。」
まっマジ?
超メジャーじゃん。こういう事に疎いワタシでも知ってるぞ。ここで他人事ながら自慢したいほどのメジャーである。
「えっ やだ 知らなかったよ~」
「言わんかったっけ? 局ちゃん知ってると思った」
「知らなかったよ~ 活躍してるんだねえ よかったねえ」今更言うのもマヌケなワタシであった。
あまりたまげたのでその場でムスメにメールをした。(その日の朝 ドラの妊娠中に仲良くしてた友達に会うんだ。妹もあなたと同じくらいの年でなんか芸能活動してるらしいんだよね くらいの事を言っておいたのである)
「今会ってる友達って ホニャララのママだったよ!」
何を隠そうムスメもホニャララのファンなのである。同年代の他の子やグループは認めてないくせにホニャララのパフォーマンスはカッコいいと常々言っていた。
すぐさま返ってきた返事は
「うっそ~~~! 新曲好きです!! 応援してます!!!って言っといて」と 普段クールなムスメの割には!!マークが連なった ジェジェジェもののメールであった。
それにしてもY子ちゃん、お嬢さんが成功してるのを鼻にもかけず、まるで自慢たらしくなく、依存もせず(ふつうにパートして)ステージママもせず(仕事が休めないからツアーもついて行けないねんとのこと)あの淡々とした態度はかっこいいと思った。ただ「あの子は何か持ってんねんな。めぐり合わせがいいねん」とだけ客観的に言っていた。
そのまま散々しゃべりまくってまた会おうねと約束して家に帰った。
娘は詳しく聞きたがったので彼女との経緯など話してあげたが、帰ってきたオットは「ふ~~ん ホニャララってどんなんだっけ?」と拍子抜けする反応 「それよりY子ちゃん 相変わらず綺麗だった? おばさんになってた?」だそうだ そっちかい?
ムスメがyoutubeでホニャララの映像を出してオットに見せたら
「ああ これなら知ってるよ。そうかあ この子がY子ちゃんの子かあ。そう言えばこの脚はY子ちゃんの脚で顔はダンナの顔だな」と初めて納得していた。
久しぶり、実に四半世紀ぶりに会う友人であった。
結婚した当時 オットは関西のある県に赴任していて私はその馴染のない所で新婚生活の一年を過ごしたのだけど、その時の友達である。
オット以外は知ってる人もいないし土地鑑もないし、そんな所に行くのもそんなに不安と思わなかったのは若さ故かもしれない(今は知らない土地で暮らそうなんて思わないもの)
そこで仲良くしてくれたのがこの友人であった。
元々オットが当時の同僚と贔屓にしていたレストランの常連さんでその中でマドンナ的な存在の女性だったらしい。
独身時代のオットがまず仲良くなり、今度結婚するから奥さんが来たら遊んでやってねとワタシを引き合わせてくれたのである。
ちょっと特殊な仕事をしていた彼女、外見は華やかで人目をひく子だったけどコテコテの関西弁でボケツッコミが面白く 気さくにその土地を案内してくれた。
ほどなくほぼ同時に妊娠がわかったので一緒に妊婦生活も送って色々初めての出産に備えた。
そしてドラが生まれ、彼女の長男が生まれて ほどなく家が東京に戻ることになり、なかなか会えなくなってしまった。
その後詳細は忘れたが東京の家に長男を連れて彼女が二度ほど遊びにきてくれたが、彼女のご主人は転勤族だったのでその後は国内の主要都市だけど何か所か引っ越し、その間に今度もやはり同じくらいの時期に彼女も私も女の子が授かった。しかし子育てなどの忙しさの中でなかなか会えずに年を重ねて年賀状だけのおつきあいになっていた。
そして何年か前にご主人が東京勤務になり、隣の区に引っ越してきたことは知っていたけど、なんとなくきっかけもなく毎年「今年こそは会いましょう」という年賀状の常套句だけは交わすものの実現はしなかったのである。案外私は人付き合いは自分からアクションを起こさない受け身型なんである。
しかし最近LINEでつながったのね。お互い携帯番号を登録していたから。
年賀状だと一年に一往復だけど さすがにLINEはやりとりが早い(当たり前だ)相変わらず関西弁で送ってくるメッセージとハゲおじさんのスタンプがおかしくて、彼女がパートしている所がワタシの馴染のある所でもあったので「今度そこに寄るね」なんて言っていたのだけど、彼女から
「どうせなら今度の土曜日会わへん 渋谷においしい小龍包の店あるねん」とお誘いがあった。
思い立ったが吉日とお会いすることにした。
オットも「へ~、Y子ちゃんか 懐かしいな。俺からもよろしくって言っといて」と懐かしがっていた。
モヤイ像というベタな待ち合わせ場所に現れた彼女は四半世紀という時を感じさないほど変わっていなかった。
顔が小さく足が長くスリムな体型は昔のまんま。ダメージジーンズにふわりとしたシフォンのブラウスの組み合わせもおしゃれだった。向こうも「局ちゃん 全然変わってないやんか すぐわかったねん」と駆けよってきて、手を取り合って喜びあう変なオバの図を展開してしまった。
小龍包を食べながら昔話に花を咲かせ 腰を据えて話そうと喫茶店に入った。
そこでお互いの家族のことが話になった時に、ふと私は彼女の長女さんの事を思い出した。ずいぶん前に年賀状に写真が載っていて、芸能界にデビューすると書いてあったのである。その後は何もふれていなかったので意識もしていなかったのだが、
「そう言えばお嬢さんてムスメの一つ下だったよね?芸能界デビューしたんだっけ?」と聞いたら
「うん 今もやってんねん」とのこと
「そうなんだ~ なにしてらっしゃるの?」と聞くと
「うん ホニャララって知ってる?」
「えっ ホニャララ!?」
「うん ホニャララ。」
まっマジ?
超メジャーじゃん。こういう事に疎いワタシでも知ってるぞ。ここで他人事ながら自慢したいほどのメジャーである。
「えっ やだ 知らなかったよ~」
「言わんかったっけ? 局ちゃん知ってると思った」
「知らなかったよ~ 活躍してるんだねえ よかったねえ」今更言うのもマヌケなワタシであった。
あまりたまげたのでその場でムスメにメールをした。(その日の朝 ドラの妊娠中に仲良くしてた友達に会うんだ。妹もあなたと同じくらいの年でなんか芸能活動してるらしいんだよね くらいの事を言っておいたのである)
「今会ってる友達って ホニャララのママだったよ!」
何を隠そうムスメもホニャララのファンなのである。同年代の他の子やグループは認めてないくせにホニャララのパフォーマンスはカッコいいと常々言っていた。
すぐさま返ってきた返事は
「うっそ~~~! 新曲好きです!! 応援してます!!!って言っといて」と 普段クールなムスメの割には!!マークが連なった ジェジェジェもののメールであった。
それにしてもY子ちゃん、お嬢さんが成功してるのを鼻にもかけず、まるで自慢たらしくなく、依存もせず(ふつうにパートして)ステージママもせず(仕事が休めないからツアーもついて行けないねんとのこと)あの淡々とした態度はかっこいいと思った。ただ「あの子は何か持ってんねんな。めぐり合わせがいいねん」とだけ客観的に言っていた。
そのまま散々しゃべりまくってまた会おうねと約束して家に帰った。
娘は詳しく聞きたがったので彼女との経緯など話してあげたが、帰ってきたオットは「ふ~~ん ホニャララってどんなんだっけ?」と拍子抜けする反応 「それよりY子ちゃん 相変わらず綺麗だった? おばさんになってた?」だそうだ そっちかい?
ムスメがyoutubeでホニャララの映像を出してオットに見せたら
「ああ これなら知ってるよ。そうかあ この子がY子ちゃんの子かあ。そう言えばこの脚はY子ちゃんの脚で顔はダンナの顔だな」と初めて納得していた。