局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

カタカナに弱いオトコ

2010-09-14 21:18:09 | 日々の生活
ワタシがパートで顔を出している会社の社長である。

60代後半 讃岐出身

零細企業なので社長自ら電話をとることはしょっちゅうである。

そして注文もとる。ものすごく読みづらい字でその注文を殴り書きする。事務の女性(私の友人)は長年の勘(心の目と言っていた)それを解読して正しい答えを導き出す。

最近とみに固有名詞を忘れる。ワタシも人のことは言えないが 社長はその頻度が激しくなってきたのを感じる

「局さん あれ なんやったっけなあ ほれ小さくて青い箱でなあ・・・ あの在庫はいくつあるんや?」何百という商品の中で小さくて青い箱のものを思い出し
「OOOですか?」「そやないな」「じゃ×××」「う~~ん それやない」 そうなるとこちらの仕事を中断してマスター画面を出して探さなくちゃならないのでなかなか面倒は面倒だが 老人介護の一環と割り切ることにしている。

また 自信たっぷりに商品名を出すこともある。
「局さん 今月はこれをたくさん仕入れて売ることにするからスポットに入れといてくださいね」
「はいはい なんですか?」
「グリーンレンタルな」
へっ? グリーンレンタル? なんか植木屋かオフィス向けのグリーンの管理業でも始めるんかいな?
「ほれ OOから出てるチューブがあったやろ」
「ああ社長 それをいうなら クリーンデンタルですけど・・・」

なんてこともしょっちゅうである。

今日は飛び込みで某銀行の某支店の営業が訪ねてきた。どう考えても最近はもうかっていなそうな会社なんだけど融資先になるかどうかの打診だった模様。
まだ若い営業マンのお兄ちゃん グローバル経済がなんちゃらかんちゃら とか 「お宅様は当然ご存じだと思いますが」と絶対知らないだろうなって経済用語を使って社長に講釈している。
確かに社長は地方から出てきて 同じ業界の営業マンとして一から築き上げて規模は小さいとはいえ結構都心に自社ビルを建てて地方にも一つ支店を立ち上げた人。
商品を安く仕入れて 高く売る その商売勘ってのは鋭いと思う。 しかし 何かを読んだり聞いたりして理解して次にすすめるとか  大局的に物事考えるってタイプの人じゃないのよね
だから家の会社 このところ縮小縮小傾向にあるのよね。

ただ こういった銀行相手に威張るのは好きみたい。
リーマンショックのちょっと前世の中が今より景気がよくてお金があまってて家の会社も儲かっていて 本気で銀行が融資したかった頃。
若い営業の子と一緒に支店長あたりまで来て「お金借りてください」と頭を下げるのを見るのがホントに嬉しそうであった。

しかし今日の営業マンは探りを入れに来たのが見え見えであまり下手には出ず、社長のツボにはひっかからない営業トークだったと思われ、途中から明らかに飽きたようで社長も生返事をしていた。

ワタシも全部の会話に聞き耳をたてていたわけではないが 社長がもう話を切り上げるというところで

「そうやなあ 家の会社とはジャングルが違うからな」という言葉を聞いて吹き出すのをこらえるのを我慢するのが大変であった。

(社長~~ それをいうなら ジャンルだよ~~) ←心の叫び

しかし礼儀正しい営業マン 何事もなかったように

「それではお忙しいところお時間をとっていただきましてありがとうございました。 また寄らせていただきます」と告げて帰って行ったのであった。あっぱれ・・・

そして先日髪を切ったワタシに

「局さん なんか感じがちごうたように見えてたけど あんた髪切ったん?」
「そうなんですよ 社長」
「なかなか ええやないか。なんかはしっこいっていうかなあ そうそう ボーイフレッシュになったなあ
「そうですか ありがとうございます」

そう言ってやりすごしたワタシ そういえばこの会社にいるのも長くなったなぁと改めて感慨に浸ったのであります。






コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする