局の道楽日記

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中山国交相辞任で思い出した本

2008-09-28 23:16:16 | 読む
中山国交相が早くも辞任するそうだ。
色んなこと言うじいさまだと思っていたが、「日教組はガン」発言が一番の要因であろう。
こういう事を確信犯的に言うのが麻生政権にどのような影響を与えるかをどのくらい考えたかは知らないけど 大臣としてどういうもんかいな?ってことは別として、私は今年読んでかなり感銘をうけたこの本を思い出した。

前から書こう書こう思っていたが、考えがまとまらず(つーかめんどくさくて)後回しにしていたんだけど・・・・

  滝山コミューン1974 原 武史 著 講談社

詳しくはアマゾンのページを参照されたい

著者は私とほぼ同年代 1970年代に小学生時代を西武線沿線の団地で過ごした人である。
その小学校時代に 日教組のおそらく急進的なグループだったのであろう全生研という思想的グループに所属していた、ある意味情熱的な教師による支配を受けた記録である。

全生研というのは旧ソ連の教育学者マカレンコの思想をうけて『学級集団づくり』という集団主義教育をおこない、それを「民主的集団」と位置付けた教育である。
具体的には本を読んでもらえばわかるが 学級内に班を作り、班長を決めてほかの班と競わせ、成果がでないと ボロ班、クズ班とのレッテルをはられる。
一人の個性より 集団としての力の結集というのが第一とされる。

その急進的思想をもって学校全体を支配しようとしていた一人の教師と それに影響される彼のクラスや親たち。それを息苦しく感じる 当時の原少年。

彼は当時四谷大塚に通って のちに慶応中等部に進学することになるが、塾通いが当時の楽しみだったというのが皮肉なものである。


私はここまで極端な思想をもった教師にあたったことは幸いにしてないが、時代背景は同じなので、学校以外の集団(合唱団とかYMCAとか)の指導者たちに このような熱血教師(片山先生)の系譜の人たちがいたことは覚えている。

確かに彼らは 一人の小さな手 とか 鬼のパンツはいいパンツ なんて歌わせるのが大好きであった。

当時からその手の集団遊びが好きはなく、何かと言うと「みんなで」「作り上げよう」と鼓舞する指導者たちの胡散臭さを感じていた私も 滝山小学校のような所に居たら著者のように居心地が悪い思いをずっと我慢をしなければならなかっただろう。

今の日教組ってものがどのような集団なのかわからないが、あの当時の急進的な一部の人たちは 本当に 一言でいえば 気持ちの悪い集団だったと思う。

民主主義という美名のもとに集団が個人をさいなむ。感じやすい個が悲鳴をあげているのを感じなかった もしくは あえて無視して自分のやりかたを押し通した教師が居たことには恐怖を感じる。

また彼らの教育というのが 現在の一部マスコミ、教育者に根深く影響してるんじゃないんかいな~ と 思ってしまうところもまた恐怖でもあるのよね。

コメント (4)
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