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今年の8月15日、今年は2つの問題点が

2023年08月17日 12時30分09秒 | 国際関係
今年の8月15日、今年は2つの問題点が
終戦の日を2日過ぎました。今年も8月15日を中心に、「戦争」についての沢山の記事、解説、意見などが報道だれました。

既に1年半になるウクライナへのロシア侵攻による悲惨な現実を背景に、戦後78年、平和憲法のお陰もあって、戦闘行動は行わず、平和を享受出来た日本でも、新たに2つの問題への指摘が多く見られたような気がします。

1つは、「戦後」という常用語に加えて、「戦前」という言葉が混じって来た事です。
しかも、最近の「戦前」は太平洋戦争前の「戦前」ではなく、今日現在が「戦前」だという意味なのです。

典型的、象徴的には麻生太郎氏の「戦争の覚悟」が必要という発言に見られるような、新たな戦争を予感させる「新し戦争の前の時期」という意味です。

つい昨年までは誰もそんな事を考えなかったのではないでしょうか。それが、日米の集団的自衛権という盟約が、台湾有事という「現実的可能性」と結びついた時、急速に広く意識されるようになったのです。

そして日本政府は、沖縄の南西諸島のミサイル基地化を進め、大量の防衛装備をアメリカから購入することを決めています。
これが、戦争を抑止する効果を持つのか、戦争を招き寄せる効果を持つのか、日本人すべてが、その判断をしなければならない立場に立たされているのです。

もう一つは、戦争の中での必然である「殺戮」についての被害者だけでなく、加害者の意識、精神状態、その経験と人間性の問題などについての報道や意見です。

今迄はこの忌まわしい問題を正面から取り上げることは何か控えられていたところもあったようですが、今年は、この問題に正面から取り組む報道が、かなり多かったような気がします。

戦争は殺戮を伴います。それは個々、具体的な現実としては殺人です。通常の人類社会では決して認められる事のないその行為を戦争は常に容認するものなのです。

しかし、戦争の中とはいえ、人間がそうした行為をした時、それが、人間の心・精神にいかなるトラウマを齎すかといった問題も含めて、真剣な記事や論調が多くみられました。

ロシアの核による脅し、ウクライナでの悲惨な現実に触発された面も大きいと思われますし、ミサイルや無人機といった、人間が直接手を下さない遠隔殺人の問題も意識した、人間の本源的な意識の表出のようにも感じられます。

これは世界人類共通の大きな課題ですが、過去の戦争の結果に学び、平和憲法を掲げこの78年間戦闘行為を行っていない日本人にとっては 、特別に重要な問題でなければならないのではないでしょうか。

21世紀の今日、戦争というのは、ごく少数の異常な精神構造を持った人が、偶々一国のリーダーになったというケースしか起こりえないような人類社会になりつつあるのではないでしょうか。

国連を始め人類の組織も個人も、こうした極く少数な危険な事態を、あくまで平和的な手段によって解決に近づけるような知恵と努力を、協力して作り上げなければならないのでしょう。

特に平和憲法を掲げる日本のリーダー、それを選ぶ日本国民は、戦争の不条理と結果の悲惨さを徹底理解し、かりそめにも「戦争」などという言葉は使わず、平和維持という人類の王道の中で、問題解決に率先努力する選択と行動を心がけるべきではないでしょうか。

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