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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

独裁者の誤謬と国民の損失

2025年04月12日 14時22分20秒 | 経済

バイデン前政権の国務長官を務め、アメリカが世界から信頼されるようにと東奔西走したアントニー・ブリンケン氏がCNBCのインタビューに答えて「米国が世界と対立しているように見える。『米国第一主義』から『米国単独主義』へ向かっている」と懸念を示したとのことです。

アメリカの良識を代表するような言葉を聞いて、未だアメリカは大丈夫という安心感とともに、「トランプのアメリか」に強い危機感を持ったところです。

この所の「トランプのアメリカ」を見ていると、やっぱりトランプさんは独裁者を目指しているという感じをますます強くするところです。

差し当たっては、トランプさんは「戦争の嫌いな独裁者」という事で通るかもしれませんが、何でも力で押し通そうとするのが独裁者の本性ですから、経済的な力で足りなくなると必ず軍事力の活用となるのが世の習いです。

その話は別として、このブログでも既に「アメリカ・パッシング」の可能性に触れましたが、その動きはこの所種々見えてきています。

一番大きな動きは中国の、「関税戦争から降りる」という意思表示でしょう。これ以上関税の掛け合いをしても経済交流が止まるだけの話ですから、中国はもうアメリカを相手にしないという事です。

はっきり言えば、世界にアメリカが無くても中国はやっていきますという事でしょう。その裏には、それでアメリカ困るのであればどうぞお困り下さいという皮肉が見えています。(EVテスラは? イーロン・マスクさんは?)

アジア諸国でも、アメリカを諦めて、中國やインド、人口が多く、今後経済発展が期待できる国に主要な視点を転換していく動きが活発化するようです。

その結果、何が見えて来るかと言いますと、トランプさんは、世界中がアメリカにモノを売って儲けて、アメリカは損ばかりしていると言っていますが、本当は、アメリカ企業も、海外進出で随分得をしていたという現実でしょう。

トランプさんは、やっぱり独裁者ですから、広い知見を集めベストの進路を選ぶのではなく、「アメリカは損ばかり」という自分の誤った被害者意識をアメリカ中に振りまき、人間の持つ被害者意識を利用して選挙に勝ったという事で、これは独裁者(ヒットラー、プーチン、かつての日本の軍部・・)に共通な現象(政策)です。

アメリカの過半数の人たちが、アメリカに被害を齎すのはトランプさんだったと解らないと、このまま、アメリカは世界からパスされてしまう事になりかねません。  

前回のトランプ政権の時、アメリかは自分から言い出したTTPを離脱しました。その時、このブログではRCEPの重要性を書いています。

経済活動というのは、長い目で見れば、より良い経済社会を作るように作用しているようです。それを大事な事と考えねばならないようです

アダム・スミスの「神の見えざる手」(プライス・メカニズム)、同じアダム・スミスの「道徳感情論」、日本では、渋沢栄一の「論語と算盤」の思想が正しい事を示しているのでしょう。  

独裁者は強い偏見の中で誤りを犯します。権力という魔力がそれを支えます。

今の自由世界の経済関係の混乱が、アメリカ・パッシングに進んでいくのか、それともアメリカが覇権国家。基軸通貨国を維持するのかは、アメリカが民主的なリーダーを持つかどうかによるのではないでしょうか。

そうなるかどうか、それを決められるのは、アメリカ国民だけなのです。